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『風の王国 砂の迷宮』

風の王国―砂の迷宮 (コバルト文庫)
毛利 志生子 増田 メグミ
4086012642



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読了。

吐蕃王のもとに嫁いだ唐の公主の波乱の人生を描く、歴史小説。シリーズ第十八冊目。


吐蕃王ソンツェン・ガムポの命で隣国シャンシュンを公式の使者として訪問することになった翠蘭は、義妹セーマルカルとの対面ののち王太后によって拉致監禁される。自分の息子リク・ミギャを強引に王位に就けた吐蕃出身の王太后は、シャンシュンの民に軽蔑されてきた恨みをはらすかのような専横を行っていた。吐蕃へも憎しみを持つ王太后の元からなんとか逃げ出した翠蘭だったが、追われるうち、かつて自分を殺そうとした密偵サムジェンと出会う。捕らわれていたサムジェンを救い出してまた逃亡を始めた翠蘭は、方向を見失い川に流されたあげく、シャンシュンの金鉱へと流れついた。そしてそこから金鉱の管理者ギガン・ブラナンの元へと送られた。




なにも知らない外国へ使者として送られてみたら、そこは内乱寸前の不穏で危険な無法状態で、権力闘争に利用されたり疎外されたり殺されそうになったりと、とんでもない目に会い続けながらも、なんとか生きのびて事態を上向かせようとする翠蘭一行の奮闘記です。

シャンシュンの政治体制は、もう、めちゃくちゃですね。末期状態。
一部の者が利害関係だけで事を進めた結果、指揮系統が統一されていず、治安は悪化し、やりたい放題をする地方領主に歯止めがかからない。

前王の時代から崩れ始めていたものが、強引な王位継承のために王権が求心力を失って、国がバラバラになってしまったのですね。

シャンシュンの王朝が崩壊寸前だなんてこと、ソンツェン・ガムポ陛下はお見通しだったんじゃないか、すくなくともシャンシュンの王太后の状態くらいは知っていただろうと思うのですが、まったく情報を与えずに翠蘭を送り出すあたり、本当に意地が悪いお人だと思います。彼女が唐に寝返る可能性を、まだ疑っているのか。抜き差しならない事態にどう対処するかを見てみたいのか。そんなに翠蘭を試したいのでしょうかねー。たしかにどこまでやるかを見てみたい人物かもしれないけど……心休まる暇がぜんぜん与えられないのに頑張る翠蘭が気の毒です。

このままだと、シャンシュンの体制が持ち直すか、あらたな体制を整えるかしないかぎり、翠蘭は吐蕃へ帰れないし帰らないという気がします。ということは、シャンシュンの混沌にケリがつくまでつきあうことになるんだろうな。まあ、最初からそんな気配はしていたけれど。

ところでこの巻は翠蘭の出番がちょっと少なかったです。
前巻ではセムジェンと思いきりサバイバルしてましたが、この巻ではシャンシュンの内部はどうなっているのかの説明が多かったからでしょうか。

前半は金鉱管理者のギガン・ブラナンとその妻レデナが大活躍でした(悪い意味で・苦笑)が、これまでほとんどお目にかかれなかったシャンシュン国王リク・ミギャ様がご登場あいなってからは、セムジェンの存在が大きくクローズアップされてきて、この理不尽な態度は何事? と興味をかきたててもらえます。最後の最後まで驚かせてもらえて楽しかったです。

これでいままでの理不尽さの理由がようやくわかりました……なるほどねえ!

このシリーズ、巻を追うごとに歴史小説成分が大きくなっていって、ラヴが激減ですね。
そのほうが面白いのでどんどんやってと私は思いますが、売り上げ的にはどうなってるんだろう。
それに、どこまで話がつづくのかという問題もあるかなあ。まさか、このあとソンツェン・ガムポ様とラブラブにはならないだろうし……と私にはどうしようもないことで悩んでも無駄ですね。

とにかく、次巻でシャンシュン編は完結の模様です。
これはぜひともすみやかに読みたいなと思うのですが、予約はどうなっているのかな。

風の王国―うつつの夢 (コバルト文庫)
毛利 志生子 増田 メグミ
4086012944

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