『ミストボーン 霧の落とし子 2 赤き血の太陽』

ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 (ハヤカワ文庫FT)
Brandon Sanderson
4150204993



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読了。


終末期の世界。絶対的な支配者を頂点とし、被支配民スカーの虐げられている帝国で、カリスマ性を備えた首領とともに打倒帝国を目指すスカー出身の盗賊達の活躍をスピード感たっぷりに描く、異世界ファンタジー、第二巻。



〈終の帝国〉をひっくり返すという目的のために首領ケルシャーのもとに集結した盗賊達。かれらは綿密に立てた計画に従い、それぞれの任務を遂行し始める。ケルシャーによってすべての合金を扱える合金使い〈霧の落とし子〉であることを見いだされた少女ヴィンは、情報収集を命じられ、従僕で〈たもちびと〉でもあるセイズドの指導のもと、貴婦人を装って貴族達のもよおすパーティーへの参加を始める。そこで彼女はルサデル一の有力貴族ヴェンチャー家の跡継ぎ、エレンドと知り合いになった。




面白かったー。

めまぐるしく変転するストーリーに個性豊かな登場人物。ディテールを省いた世界描写は、まるで本邦のライトノベルみたいです。

ヴィン視点では、なりゆきから社交界デビューしてしまった少女の、なかなか他人への不審を消せずにいながらも、次第に仲間とのふれあいや豊かな生活に馴染み、社交界では貴族的な文化に辟易しながらやっぱりいつの間にかかれらに感情移入してしまう、順応性の高い若い精神と不安定にゆらゆらゆれる乙女心を満喫。

ケルシャー観測視点では、誰もが不可能と思いこんでいる計画が、ひとりのカリスマによって一縷の希望を生みだし、予想外の展開を呼び込む過程が、ストーリーの主軸として急展開。

合間に繰り出される合金術のアクションの切れ味が素晴らしく、それがまたストーリーから浮かびあがることなくしっかりと絡み合って、合金術のもたらすプラスマイナスもきちんと描き、スリリングな読み物となっています。

そんななかで私の個人的な萌えは、〈たもちびと〉のセイズド。
皇帝によって根絶やしにされかけ、今は出産制限をされて生まれたときから従僕として育てられるというテリス族の生き残りです。
従僕という属性も、一部の人には強力なアピール点かと思いますが、情報を蓄積し保持し続ける特異な能力を持つ〈たもちびと〉という設定に、心を打ち抜かれましたv

セイズドの専門は宗教で、かつて世界に存在したことのあるひとつを除いたすべての教えを記憶し、自在にひきだしてくるかれの姿に、陶然としてしまいます……物知りなひとって憧れなんですよ。
それに支配王に目の仇にされているというからには、彼の存在はのちのち大きな要素になってくると思うのですよね。いや、そうなったらいいなあという期待八割なんですがw

それから、各章の冒頭にひかれている文章ですが、これって支配王の日記だったんですねー。
気づいていれば真面目に読んだのに、初めの頃はなんだこれよくわからんと思って読み飛ばしていた。がくり。私のバカ。

ストーリーは急展開をして、ええっ、何が起こったの、これからどうするの、でも頑張るんだよね、よし行け! てところで次巻へつづくです。

この巻は思いがけずはやく読めたのですが、次はどうかなー。
できればこれまでの分を忘れる前に読みたいなと思っておりますが、自分の力ではどうにもならない……。


ミストボーン―霧の落とし子〈3〉白き海の踊り手 (ハヤカワ文庫FT)
Brandon Sanderson
4150205027

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