『ピアノの森 15』

ピアノの森 15 (モーニングKC)
一色 まこと
4063726754



借りて読了。

劣悪な環境に生まれ育ったピアノの天才少年一ノ瀬海と、かれをめぐるひとびとの人生を描く、音楽コミック。シリーズ第十五巻。

この巻では、ポーランドで行われているショパン・コンクール第一次予選の模様が前巻よりひきつづいて描かれています。
最終日に演奏する海くんの出番に至るまでに多くのライバルが顔見せするという構成で、なかでも超ビビリと認識されていたレフ・シマノフスキの豹変ぶりに聴衆はあっけにとられます。

これまで海とは森でちょくちょく出会っていたので、それなりに存在感があったかれですが、まさかここまですごい演奏をするとは思わなかった。

でも、この巻はそのあとが本番なのです。
そう、一ノ瀬海が公の場で本領を発揮する、初めての舞台がとうとう訪れたのです。

一次予選の一人あたりの時間は四十五分あるそうですが、ここではコンクールをそのまま再現したような濃密な時間が描かれてます。

海の弾くピアノの表情、導き出される音色。
否応なく惹きつけられた聴衆が誘われていくのは、海の心にあるあの大切な場所。

実際には聴くことのできないピアノの音色ですが、描く者の力によってここまで雄弁にかたることができるのですね。

実際は海のピアノを描いているわけではなく、聴衆の反応とそこに生み出された空気感を描いているのですが、眼には見えない音というものを伝えるにはそれが一番大事な所なんだろうな。音楽というものは受け手がいなければ成立しないものなのだから。

というわけで、初めての衝撃にうちふるえる聴衆の皆さんにほくそ笑みつつ、次巻を楽しみにしています。

ところで、この巻には特別限定版が出ていまして、貸してもらったのはCDつきのそれだったのですが、いったい誰が海くんのピアノを演奏しているのかと思ったら……ウラディーミル・アシュケナージですと!

そうなんだ……という思いと、こんな巨匠を……という思いでちょっと混乱してしまいました(汗。

ピアノの森 16 (モーニングKC)
4063727521

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