『砂の本』

砂の本 (集英社文庫)
Jorge Luis Borges
4087602400


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読了。

アルゼンチン出身の作家ボルヘスの幻想短篇集。
十三編と後書きを収録。



他者
ウルリーケ
会議
人智の思い及ばぬこと
三十派
恵みの夜
鏡と仮面
ウンドル
疲れた男のユートピア
贈賄
アベリーノ・アレドンド
円盤
砂の本

後書き

訳者あとがき



ついったーのTLに流れてきたのを見て興味を持ち、借りてみました。
私の手には余るなあと……というのが正直な気持ちです。
とくに著者の自伝的な要素が濃いもの、現実とのかかわりが強いものほど、読みにくかった気がします。
当時の状況について無知なのもあると思うけど、とにかく難しかった。
なにが起きているのかわからない話まであったし「会議」とか(汗。
でも、それでもけっこう面白いとおもえるのはどうしてなのかなー。

なかで、舞台があきらかに今ここではない話は比較的すんなりと読むことができました。

古代から中世にかけてのアイルランドにおける王様と吟遊詩人の話である「鏡と仮面」とか。
中世ヨーロッパに実在したらしいブレーメンのアダムなる人物の架空の記述という体裁でかかれた「ウンドル」とか。
このふたつはすんなり読めたうえに「おお。これはすごい!」と思える作品でした。
どうしてアルゼンチンの作家が題材にするのかなと不思議に思うほど、英米文学ファンタジーの雰囲気に似てました。
だから読みやすかったのでしょうけどね。

それから最後の「砂の本」は、奇妙な物語として普通に読めました。普通というか、ちゃんと受けとめられたというほうが正しいのか。

巻末にいくごとに読みやすくなった気はします。
そして受けとめられたものはみんな素直にすごいと感じる話でした。

しかし、この本で私が普通に読めた作品より、理解できなかった巻頭の作品の方に作家の真髄があるんじゃないかと思えるのですね……。

私はこの本を何十年か後にまた読むべきなのかもしれないと思いました。

ところで、上にはったのは文庫版へのリンクですが、図書館には単行本しかなかったので私が読んだのはこちらです。↓

砂の本 (現代の世界文学)
ホルヘ・ルイス・ボルヘス 篠田 一士
4087730891

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