『縛り首の丘』

縛り首の丘 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
エッサ・デ・ケイロース E〓@7AB7@ca de Queiroz
4560071357


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読了。

十九世紀ポルトガルの作家エッサ・デ・ケイロースの幻想小説。
中編二作を収録。

どうして読もうと思ったのか理由を忘れましたが、とにかくチェックしたまま放って置いたのをふと思い出して借りてみました。

ポルトガル作家の作品て読むの初めてかもしれません。

収録作品は以下の通り。


大官(マンダリン)を殺せ
縛り首の丘




「大官」のほうは当時流行していた「マンダリン殺し」というモチーフをつかった奇譚。
「マンダリン殺し」というのは、「自分とは一切関わりのない国のえらい人物をボタンひとつで殺せば大金が手に入るとしたら」という、イフの話らしいです。

というわけでここには、王国内務省のしがない官吏である主人公が夢の中に出てきた男にそそのかされて中国のマンダリンを殺したら、ほんとうに大金持ちになってしまったけれども、そのあとどうなったか、という話が、えんえんと悪夢として描かれています。

当時のポルトガルの貧乏中流階級と大金持ちはどういう生活をしていたかかがわかる中盤。
思いついて中国に旅立った後に体験する異国情緒と艱難辛苦。

それらが楽しめればこのお話は面白いかもしれません。
つまり、私は楽しめなかったわけですが。
読んでいる途中で何度も意識が途切れてしまい、はやく話が進まないものかと思ったり、こんなところにいちいち紙幅をついやさんでも……と思ったりしながら読んでいたので、疲れてしまいました。

それと比べると「縛り首」のほうがずいぶん読みやすかったです。
こちらは十五世紀が舞台の騎士と貴婦人の許されぬ恋のおはなし、とおもいきや、ぜんぜん違ってた。
そういえばタイトルはこれだったよと、話の途中で思い出しました。

私にはなんの伏線もなしにいきなり話が方向転換したように感じられたのですが、キリスト教徒の読み手には自明の理だったのかなとあとで思いました。

キーワードは聖母であります。

二編読んでみて、古きよき幻想小説のたたずまいを感じました。
折り目正しい物語でした。うん。

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