『熱の城 GLASS HEART』

GLASS HEART 熱の城 (コバルト文庫)
若木 未生 羽海野 チカ
4086001160


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読了。

青春バンド小説のシリーズ八冊目。


全国ツアー後、テン・ブランクはつぎのレコーディングに入っていた。相変わらず藤谷先生はみずからの意志で多忙をきわめ、体力的な限界値ギリギリ。ギタリスト高岡尚は家庭の事情を伏せて働きつづけ。朱音は進学するかどうかで悩んでいた。そんななかで藤谷は坂本の書いた楽曲をつぎのシングルにしたいと提案する。




坂本君視点の「ストロボライツ」で始まったこの巻ですが、意外に、といっては失礼かもしれないが坂本君一人称がとてもわかりやすくてびっくりした。
感情を交えない、いや交えたくとも交えられない観察者的な文章だからでしょうか。

その後、朱音ちゃん視点に戻ったら浮き沈みが激しくて、まさしく「女の子は感情を無駄遣いしている」気分になりました。
ま、それが女の子という生き物ですがw

この巻のテン・ブランクは世間的には音無のかまえ。
けれど、内部では藤谷先生がテン・ブランクを自由にするために取ってきた仕事で不自由になってしまっているという矛盾した状況に加えて、高岡君の事情とか朱音ちゃん進学とかいろいろと葛藤中です。

バンド仲間って音楽で集っているのだけど、人間だから音楽だけでは割り切れないいろいろがある。
でも、藤谷先生の音楽はそれを忘れさせてしまう強い魔力があるのだとも思いました。
なんというか、呪いに近いような魔法。
かけられたひとがどんなに危険なことでも喜んでほいほい先生に従ってしまうような、危ない力です。

藤谷先生は自分にそんな力があることを普段は自覚しているけど、使う時は無意識なんだな。
かれが凶悪なのは、ときどきふつうの人間に戻ってみせるところですよ。
そして素直に謝ってしまうところ。
謝りながら、ほんとうは全然悪いと思っていないところ。
自分の力にとても自信があるのですねえ。
でも、ときどきは使い方に迷いが出ることがあって、そのときかたわらに同志(弟)桐哉がいたりする。

その力を失ってしまったら、かれはいったいどうなるのだろうと、ふと不安になりました。


しかし、活動休止中に朱音ちゃんは坂本君への親近感を深めているのかと思ったら、いきなり!
そのいきなりのきっかけが真崎桐哉で、やっぱりおまえなのか!

衝撃的なラストで、ええっ、このあとどうなるの!
ですがつぎの巻は番外短編オーヴァークローム編です。

そういえばこのあたりはすでにサイト開設済みで昔の感想が過去ログのどこかにあるはず。
そんなことを書きつつ、読み返す気はなかったりする。面倒がりやなのです。


LOVE WAY―GLASS HEART (コバルト文庫)
若木 未生 羽海野 チカ
4086002094

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