『お鳥見女房』

お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194238



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読了。


江戸時代に将軍家の鷹狩りの下準備をするお鳥見役の家に生まれ育った女性と、その一家の日常に起きるさまざまな出来事をおだやかに描く、時代家族小説シリーズ開幕編。

剣客物の血と肉体の飛び散る様に慣れることができず、切ったはったのない物ならば大丈夫かもーと借りてみた一冊。

主人公は既に成人した子供もいる一家のおっかさん。
家は代々お鳥見役として将軍家の鷹狩りの下準備のうらで密偵役もこなすという御家人のお家柄。

禄高もたいしてないのにつぎからつぎへと厄介ごとを背負った居候がころがりこんでくるけれど。
子どもたちの賑やかな声に四季折々の自然の情景、親子のひかえめなおもいやり、淡い恋心を織り交ぜながら、殺伐とした出来事すらもまろやかに結末を迎える。

すべてはヒロイン、珠世さんのえくぼの笑顔が象徴しています。
陽の光につつまれているようなほんのりとした気分にさせてくれるお話でした。

その分、事件の本質に向かいあわずに消極的にやり過ごしているという印象も受けてしまうのが残念でしたが。

珠世さんで丸く収めてしまうかぎり、この話はこういうふうなテイストでありつづけるんだろうなあ。
そういうところがちょっと私には微妙だったのですが、これは慣れで克服できるものかもしれないとは思う。
自然や情緒の描写はとてもたおやかで好みです。
雑司ヶ谷って江戸時代には田舎なんですね。


余談。

江戸時代の女は四十過ぎるとおばあさんになっているんだなと、あらためて認識させられてビビリました。
珠世さんの年齢は明記されていないけど、珠世さんが生まれる前に立てられた家が四十余年経ってるってことは、珠世さんどう高く年を見積もっても四十そこそこです。

それで二十三を頭に四人の子がいて、長女は嫁に行き孫を産んでいる。

そのくだりを読んで「ぎゃあ」となりました(汗。

昔の人がはやく大人になっていたわけがわかったような。
こんなタイムテーブルで人生生きていたらモラトリアムしている暇なんかない。
自分は何者かなんて惑っていたら食っていけないもの。
自分のしたいことなんて探していたら、のたれ死にだ。

寿命が延びて時間が余って、人間はなかなか覚悟がつかなくなって成長できなくなったのか……しら。

とりあえず、つづきも読んでみます。

蛍の行方―お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194254

Comment

わーい

こんにちは、おむらよしえです。「お鳥見女房」読んでいただけて嬉しいです!
最初の巻よりは、後の方が面白くなってくるので楽しみにしていただければー。

こんにちはーw

おむらさんの記事を読んで興味を持ち、借りてみました。
後の方が面白いんですね、うふ、楽しみですーw

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