『恋のドレスと聖夜の求婚 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

恋のドレスと聖夜の求婚―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
408601386X


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いただいて読了。

ヴィクトリア朝イングランドを舞台に仕立屋の娘と公爵家の跡取り息子の障害多き恋を心理サスペンス風味で描く、乙女向けロマンス小説。シリーズ十九冊目。



ようやくみつけたクリスに別れの言葉を告げられ、混乱するシャーロック。懸命にクリスの真意を探ろうとするかれに、父親はかつてした取引の履行としてモアティエ公爵家令嬢コーネリアとの婚約を強く求める。しかたなく了承したシャーロックだったがもとより従うつもりはなく、コーネリアとビアードの駆け落ちの煙幕になるつもりでいた。いっぽう、クリスはリンダ・パレスがオルソープ伯爵家に身を寄せているという情報を手にし、母親に会う決意を固める。




怒濤の展開であります。

ビアードと結ばれたいのになかなか思いを貫けないコーネリアの事情。
自分の陥った悲劇から逃げ切ることなど許さないとでもいうようなモアティエ公爵ヘンリーの行為。
コーネリアを束縛する母親ドロシアの心の闇をさらに追い詰めるとある人物。
そしてクリスの行為の理由はパメラにも推測を許さない。

コーネリアの異母妹アップルのはっとするような美しさつよさの描写がさらに読み手を混乱させて、いやー、すごい心理サスペンスになってました。

クリスの態度に不安と混乱を極めつつ、なおもクリスを知ろうとするシャーロック。
そんなかれに追い打ちをかける試練の数々に、前巻ではただ笑っていた私ですがさすがに哀れをもよおしてきましたよ(苦笑。

シャーリー・パパのハクニール公爵はなんの苦労もなく人生の王道を歩みつづけてきたひとで、そこから逸れることなど想像の範囲外なんでしょうね。
シャーロックがクリスに出会わなかったら、たぶん彼のように成長していたんだろうなー。
優しいかもしれないけど、想像力と共感力が欠如していて、たいそう無神経であります。

そんなシャーリー・パパの尊大さをママが見咎めて、そのあとどうなったかがとても知りたいと思いました。いや、これからどうなるのか、かな?

シャーロックの事情はそんなんですが、この巻はコーネリアがどういう行動を取るかが最大のポイントだったと思います。

彼女がどの道を選択するのか、最後までハラハラのしどおしでした。ビアードも気が気じゃなかったろうな。かれの辛抱強さには心打たれました。ほんと、感心した。いくらツンデレ好きの相手だとはいっても、焦らすにも程があるよな……コーネリアの事情はすごくよくわかるんだけど。だからよけいにドキドキでした。

ああ、すごく面白かったけどすごくツカレタ(苦笑。

シリーズはついに終盤にさしかかってきたのかなー。
ようやく闇のドレスのひとびとが表舞台に出てきそうな気配です。
これから話がどうなるのか、目が離せなくなってきました。

きゃー、どうしよう! と意味もなく叫んでしまう読後感でした(笑。

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