『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』

時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)
ジャック・フィニイ、ロバート・F・ヤング、他 中村 融・編
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読了。


タイムトラベルなどの時間をテーマにした翻訳SFのアンソロジー中短篇集です。
収録作品は以下の通り。


チャリティのことづて ウィリアム・M・リー(安野玲訳)
むかしをいまに デーモン・ナイト(浅倉久志訳)
台詞指導 ジャック・フィニイ(中村融訳)
かえりみれば ウィルマー・H・シラス(中村融・井上知訳)
時のいたみ バート・K・ファイラー(中村融訳)
時が新しかったころ ロバート・F・ヤング(市田泉訳)
時の娘 チャールズ・L・ハーネス(浅倉久志訳)
出会いのとき巡りきて C.L.ムーア(安野玲訳)
インキーに詫びる R.M.グリーン・ジュニア(中村融訳)

編者あとがき/中村融




最近の作品ではなく、ある程度評価の定まった定番のなかから日本では知名度の低いものを選んで編まれたアンソロジーのようです。

とはいうものの、私はそれほどSFを読んでいるわけではないので、日本では著名らしいヤングの作品も未読でした(汗。

時間SFというとノスタルジーとかロマンティックとかいうイメージらしい、ということもあまり意識していませんでした。

という読み手である私が読んでの感想だということをまず念頭に置いておいてください(汗。

はじめの三作のうちの二作は、ふーん、こういうのなら前にも読んだことがあるかもーという感じです。
感触としてはSFじゃなくてファンタジーぽいなあと思いました。

読みすすむにつれて次第におおっと思う作品がつづくようになりました。

一番爽快なのはヤングの「時が新しかったころ」。
これはノスタルジーじゃなくとても前向きな話だった。

一番ええっ、これってこんなことになっていいの? と驚いたのはハーネス「時の娘」。
タイムパラドックスにしばらくうんうん唸ってしまいました(苦笑。

一番読み解くのに苦労したのはグリーン・ジュニア「インキーに詫びる」。
すごくテクニカルな話で、話を呑みこむまでに途中で何度も眠りました←おい。
でも、理解できてみるとふえ~という感慨が残りました。

しかし私が一番すきだとおもったのは、C.L.ムーア「出会いのとき巡りきて」。
これってタイムマシンが出てくるだけでファンタジーですよね。
SF的にはどう考えてもおかしいもの。
でも、時空を超えて一瞬だけめぐり逢うというテーマ、すごく萌えます。
解説にあるとおり、たしかにこれだけ壮大だと神話めいた荘厳さすら感じられるなー。


というわけで、読み終えてわかったのは、私はロマンティックやノスタルジーよりもドラマティックが好きで、どこまでもファンタジー好きだということでした(苦笑。

あと、「むかしをいまに」はおなじからくりの時間SFをこれまでにもいくつか読んだことがあるのですが、あれはこれが最初だったのでしょうか。

いずれにしろ、このテーマの話では私はどうしても納得できない点があり、その納得できない点はこの話でもやっぱり納得できなくて、けっきょくすっきりしませんでした。
理解はするんだけど、感覚的に腑に落ちないんですよねー。うむ。

しかし、粒ぞろいの作品集であることに間違いはありません。
フィニイの作品なんて、ほんとうにフィニイだなーという出来で、フィニイ初心者にはお勧めだと思います。

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