『黄金の狩人 2 道化の使命』

黄金の狩人2 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562086


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読了。

深い心理描写と臨場感にあふれる物語世界が魅力的な異世界ファンタジーシリーズ「ファーシーアの一族」の第二シリーズの二冊目。


死を偽って別人として暮らしていたフィッツが養い子の将来を考えはじめた時、恩師シェイドからの急使が使わされた。口のきけない使者による懇願あるいは命令に逆らうことができず、フィッツは懐かしいバックキープへの道を辿る。すっかり変貌を遂げてしまった思い出の場所で、フィッツは驚愕の事実を告げられる。今はゴールデン卿を名のるかつての道化の従者として、フィッツは道化と王妃の女狩人とともに三人で行く先不明の探索の旅に出る。




はー、面白かったー。

一巻のゆっくりと淡々と過去を懐かしみつつ流れる日々から一転して、いきなり身分詐称と極秘任務をいっぺんにこなさなければならないという急展開。

フィッツが隠しているのは身分だけではないのでふたたび故郷を訪れるというそのことだけで危険です。
しかもファーシーア王家に起きた事件はシビアなもので、物語はしごく深刻に緊迫感を持って進みますが、同時に進むフィッツと道化との主従ごっこがおかしくてなりません。

それから馬や猫の動物たち。
狼ナイトアイズの老いはフィッツに重苦しい影を落としますが、新しい愛馬マイブラックのきかん気ぶりはいままで従順な馬たちばかりしか出てこなかったのでとても新鮮です。

新鮮といえば猫の〈気〉を感じるシーンはとても楽しく興味深かった。
猫ってほんとうに俺様なんですねえ。そしてなぜかやたらに人にのぼりたがるの(苦笑。

物語としては、前シリーズではただ忌まれていた〈気〉を持つひとびとの存在がクローズアップされ、かれらとのかかわりあいがフィッツにさらなる試練を運んでくるような案配です。

〈気〉をつがゆえに処刑され、表向きは死亡しているのにいまだに王家との関わりが絶てず〈技〉を扱うフィッツ。
どっちつかずの姿勢を糾弾する言葉に傷つく姿が痛々しくてなりませんが、そのあたりがこの話の読みどころなので避けて通るわけにはいかないのがジレンマですね。

はやく決着がついて欲しいのと、いつまでもこの世界を味わっていたいのとがごっちゃになり、ああもう、先を早く読みたいのーという心地でこれを書いております。ナイトアイズの体調がとても心配です。


つづきはこちら。

黄金の狩人3 (道化の使命) (創元推理文庫)
ロビン・ホブ 鍛治 靖子
4488562094



少年時代のフィッツを描くシリーズ第一巻はこちら。

騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族> (創元推理文庫)
ロビン・ホブ
4488562019

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