『われら濁流を遡る バンダル・アード=ケナード』

われら濁流を遡る―バンダル・アード=ケナード (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
4125011060



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読了。


戦乱の続くヨーロッパ風異世界を舞台に傭兵たちの活躍を皮肉まじりの陽気さとともに描く、戦争冒険小説「バンダル・アード=ケナード」シリーズ、第四作。


エンレイズとガルヴォの二大国の争いは長期間にわたって続いていた。エンレイズに雇われている腕利きと評判の傭兵部隊バンダル・アード=ケナードは、正規軍に押しやられて歓楽街にようやくの休憩を得ていた。ところが、そこで休憩する変わりにと娼婦街の顔役に妊娠した元娼婦の故郷までの護衛を要請される。バンダル・アード=ケナード隊長ジア・シャリースは、昔なじみのエンレイズ将校ハヴィから届いた雇用要請とを鑑み、そこに向かうついでならばと契約を交わした。バンダルは元娼婦ヴェルマと付き添いの娘サリアをつれて行軍を開始する。




おっさんばかりの話に花が二輪くわわりました。
けど、結果的にはそれほど潤ったとはいえないかも。
いや、たしかにほのかな恋の予感はあったけれども。
読みどころはやはりおっさんたちの活躍にあります。

そもそもこの作家さんの持ち味は恋愛描写にはないのですよねえ。

おっさんばかり、というあたりは雰囲気的に『エロイカより愛をこめて』と通じるものがあるかもしれません。
しかし、こちらはより人情話っぽさを感じます。スケールはそれほど大きくないです。だいたい、事件の発端となるのがたいていエンレイズ軍の無能さなんで……。無能な正規軍の尻ぬぐいをさせられる傭兵部隊の苦労多く実り少ない顛末を描く戦記物です。

時代的には、中世末期から近世への過渡期くらいなのかな。
騎士階級は出てこないけど、火薬や銃も出てこないし。

シャリースの生い立ちには、大国に併呑されて故郷を失った民族の哀しみがあります。
かれの民族がやたらと傭兵をしているらしいことから、この辺はなんとなくスイスみたいな気がする。

と、設定などをいろいろと推測などしなくても、腕利きの男たちのプロフェッショナルな活躍を読んでスカッとしたいけど、リアリティーもちょっとほしいな、的な需要を満してくれるシリーズです。

バンダル・アード=ケナードの隊員たちの個性あふれる掛け合いも楽しいです。

白狼エルディルちゃんとその母親(笑)も、今回は徹底的に脇でしたが、ちゃんと活躍してくれてます。

個人的には、イラストレーターによる巻末ページに大いに受けました。

つづきも出て欲しいシリーズです。


シリーズ開幕編はこちら。

運命は剣を差し出す―バンダル・アード=ケナード〈1〉 (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
4125008337

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