『狐狸の恋 お鳥見女房』

狐狸の恋―お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194289


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読了。


江戸時代、将軍家の鷹狩りのためにつとめる御鳥見役をうけつぐ一家の、悲喜こもごも、ときに事件ありの日常を、女性視点でたおやかに現実的に描く、時代小説シリーズ。第四巻。

ますます面白くなって参りました、お鳥見女房シリーズです。
珠世さんに感化されてわたしもすっかり子どもたち見守りモードになりました。

この巻では、長男久太郎と次男久之助の恋模様が、ちょっと距離を置いた母親視点から描かれます。
現場に立ち会ったり、問いただしたりはできないので、ちょっと、いやかなりもどかしいところがありますが、決める部分はズバリと描写があり、たまった鬱憤をスカッと晴らすことができます。

それから珠世さんのお父上の過去とのからみ、嫁いだ次女君江にも嫁としての試練が、矢島家のかつての居候・源太夫の次男源次郎のうっくつ、等々、平穏に見えてけっこう波乱つづきの一冊でした。

なかで異色なのは表題作の「狐狸の恋」でしょうか。
久之助の恋がらみで描かれるひとつの出来事なのですが、この話だけが生々しくどろっとしていて、たぶん描き方がけっこう直接的だからだと思うのですが、私はこういう話はあんまり好みではないなあ。
死と絡めるくらい幻想的なら読めるのですが、このシリーズには幻想風味はないですから。

考えてみればこの作者さん、もともとそういう泥沼めいた恋愛物がお得意なのですよね。
このシリーズがほのぼのしているせいで忘れておりましたが。

ということは、昔からのファンの人はそういうものがあったほうが好きなのかもなー。
作者さんも一冊にひとつくらいは入れたいのかも。

そういう話がシリーズのメインに来ることはなさそうなので、これからは黙って素通りすることにします。

シリーズのつづきは単行本では出ているようです。

今の私の興味は、鷹姫さまが矢島家にどんな混乱をもちこんでくれるのか。
(混乱と決めつけていいのか;)
とても楽しみですv


巣立ち お鳥見女房
諸田 玲子
4104235113

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