『中世を道から読む』

中世を道から読む (講談社現代新書)
齋藤 慎一
4062880407


[Amazon]


読了。


中世日本の街道事情を古文書より読み解く歴史入門書。

中世とありますが、ここではおおよそ鎌倉時代から戦国時代までのことのようです。
わたしには日本の中世と近世の時代区分がよくわかっていないんですが、そうなんだっけ?

というような日本史しらずでも、中世の日本で旅をする、あるいは行軍するのがいかにたいへんであったか。

地図のない時代において自然の中に切りひらかれた道を案内するもの、とくに増水する川を渡るための手段や渡河地点の情報がどれほど大切であったか。

政治的な関係による交通遮断や戦時の街道封鎖による不自由。

道行きが困難であることが日常であったため、政治的な事情の言い訳にも活用された「路次不自由」という言葉がたいそう新鮮でした。

さらに街道の整備状況やらそれを受け持っていた人びとの実情、関所のやくわりやなにやかやという、政治権力を上から見たのではない日常レベルの道事情が理解できて、かなり興味深かったです。

鎌倉時代の話は関東地方の例が多く、地元を参照しながら想像できたのでさらに面白くなりました。

個人的には鎌倉街道要図に近所の地名が出てきてびっくり。
あそこって結構古くからひらけていた場所だったのね、しらなかった~。てっきり戦後にベッドタウンとして開発されたのだと思っていたのです。無知は怖い(汗。


目次は以下の通りです。


第一章 路次不自由
 1 古文書は語る
 2 戦国人の時空間
 3 政治・軍事・自然

第二章 川を渡り、峠を越える
 1 越すに越されぬ利根の流れよ
 2 舟橋を架ける
 3 峠の鬼、そして地蔵

第三章 道は誰のものか
 1 越境可能な存在
 2 通行を左右するもの
 3 道路を管理する人びと

第四章 すべての道は鎌倉に通ず?
 1 メインルートは上道
 2 河川交通と陸上交通の結びつき
 3 鎌倉の地位低下、江戸の台頭

むすびに

あとがき

主な参考文献
略年表




大自然の中、手探りで旅をしていた時代の感覚がすこしだけ味わえたような気のする本でした。
中世の道の本をもうすこし読んでみようかな。

Comment

御礼

楽しんで頂けてありがとうございました。
実際に古道を歩いてみると、もっと実感がわきますよ。

作者様にコメントをいただこうとは思いもよらず、びっくりしました。
ありがとうございます。
こちらこそ、歴史を体感しているような気持ちになれて楽しい本でした。
機会があれば、ご近所くらいは歩いてみたいと思ってます。

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)