『晏子 1』

晏子〈第1巻〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
4101444218


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読了。

古代中国春秋時代を舞台に、太公望の興した斉の国に亡命した晏子親子の活躍を描く、歴史小説。



春秋時代末期。中原は晋と楚の二大超大国の対立がつづいていた。かつて中原に覇を唱えた斉は、晋の使者・郤克の異形を君主の生母が嘲笑したために恨みを買った。郤克は晋の主催する君主の集まりである会同への出席か、開戦か、を迫って立ち去った。戦は困るが会同に赴けば郤克率いる晋軍に攻撃されるかもしれない。対処に困った頃王は国の三分の一の軍事力を分かち持つ高固を正使とし、高固は目をかけてきた宋からの亡命者・晏弱を副使として出立するが……




久々に読んだ宮城谷作品。
面白かったです。

多くの国がその存亡をかけて相争い、駆け引きをし、欺きあい、そして戦う、戦乱の春秋時代。
先の見えない混沌の時代において輝きを放ちはじめるすがしい目をした人物の姿を描くのに抜群の冴えを見せる著者の選んだ人物は、晏子親子。

いままでの主人公たちと同じく、ひとつの信念から揺らがず、武をよくしながら智謀に秀でた、懐の深い人物です。

第一巻では、その晏子の父親側である晏弱が斉の国において次第に存在感を増していく様が描かれています。

大国晋の重臣を嘲笑して恨みを買ってしまった斉を救うために命を賭して敵地に赴く冒頭から一気に物語にひきこまれました。

骨太でありながら端正なたたずまいの文章。
叙情的な光景から違和感なく移行する歴史的解説。
人と人との対峙を描いて高まる緊張感。
一転して俯瞰しながらもスピード感を感じる戦闘シーン。

じつに質の高い小説であるなあと、溜息が出ます。

個人的に、頃王の生母・簫同叔子の描かれ方には不満がないでもなかったのですが(いったい彼女は賢いのか軽はずみなのか。いずれにしろ少しは反省しろと言いたい)、後で登場した頃王の妃・声孟子がおバカすぎて開いた口がふさがらなくなったので、もういいや。

だいたいにおいて、女性の描き方に?なのはいつものことなので、もう割り切って読みたいと思います。

亡命先から帰還した高貴な陰謀家・崔杼との対決の予感にすでにドキドキです。
息子・晏瓔の成長もはやく読みたい!

しかしまだ二巻は手元にない。
予定外に読んでしまったので買うのに踏ん切りが必要です(汗。


晏子〈第2巻〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
4101444226

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