『巣立ち お鳥見女房』

巣立ち お鳥見女房
諸田 玲子
4104235113



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読了。


江戸時代、将軍家の御鷹狩りのためにつとめる御鳥見役の一家の来し方行く末を、現当主の奥方・珠世さんの視点で情豊かにたおやかに描く、時代家族小説。シリーズ五冊目。


おひとよしの貧乏御家人の一家を切り盛りする、四十代主婦視点の日常的な時代小説も、今回は大きな節目。

ふたりの息子がとうとう結婚。

次男は他家の養子となって家を出ていき、長男の嫁があらたに家族として加わります。

ふたつの結婚式前後の嬉しいけれど少し寂しい、微妙な心理状態がこまやかに描かれていて嬉しかったです。

とくに、息子たちがすなおに珠世さんに思いをうち明けるシーンがよかったなあ。
ふたりともひねくれず親思いに育っていて、こんな息子たちがいていいなあ、でも珠世さんだからこんなふうに育てられたんだろうなあと感じました。

そして、あらたな家族、つまり長男久太郎の妻となった鷹姫さまこと恵以どのは、予想に違わぬ大活躍。

珠世さんのお父上・久右衛門とのいきさつが、ごっつうおもしろうございましたw

以前居候していた源太夫の一家もあいかわらず行き来があり、こちらは子どもたちの成長がとても楽しくて。

御鳥見役の裏のおつとめ関連はすっかりなりをひそめましたが、この日常的な雰囲気が私はとても好きです。

流しのしゃぼん玉売りの藤助さんも変わらずに登場しますが、季節とともにやってくるかれは流れゆくときを象徴するかのようですね。

いまのところこの本がシリーズの最新刊の模様です。
しみじみと感慨深いラストシーンを迎えましたが、シリーズはまだ、つづくのですよね?
今後の矢島家の展開を楽しみにしています。


シリーズ開幕編はこちら。

お鳥見女房 (新潮文庫)
諸田 玲子
4101194238

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