『晏子 2』

晏子〈第2巻〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
4101444226


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読了。


古代中国春秋時代の斉において活躍した晏子親子を中心に、国同士の策略や戦いを描く歴史小説。シリーズ第二巻。


ついに斉の悲願・萊国の併呑へと乗り出す決断をした霊公の命により、遠征軍の将軍となった晏弱。かれは霊公にわずか五千の兵でこの大事業を成し遂げると宣言する。大胆な発言の裏には、斉の中枢にいる内通者の存在があった。かつて斉の大夫だった智将・王湫のもとに結束し、斉を迎え撃つ萊に対し、晏弱のとった作戦とは。




第二巻は、おもに萊との戦いを通して晏弱の功績を描き出し、さらに斉国内の権力争いと大国晋との対決が決定的になっていく様が晏弱の息子・晏瑛の成長とともに描かれていく、というふうに進みます。

晏弱の萊国遠征は知略の数々に胸躍る展開です。
これは戦記物ならではの楽しさかな。
もとからの視点が俯瞰的なので、地上で展開されていく攻防とはある程度距離があるはずなのですが、淡々とつづく言葉のうちからあふれる熱いものに心を揺さぶられてしまうという、なんとも素敵な文章。

晏子の周りの人びとの会話とともにおりおりにあらわれる情景がとても印象に残ります。

古代中国の舞台を詳細に描いているわけではないし、生活感があったりするわけでもない。むしろ伝聞に近いような書き方なのに、どうしてこんなにその場の風を感じるのかなー。不思議です。

そして、たいへんに格調高い。

この格調高さはサトクリフに似ている気がするけど、どこまでも主人公に寄り添ってるサトクリフとは描き方が正反対ですね。

だからかな、読んでいるとき、サトクリフは伝説もしくはファンタジーの気分になるけど、宮城谷昌光は神話もしくは伝説の気分になります。

この違いはすごく微妙なのでわたしには説明できない(汗。
あえていうならば、この巻のラスト近く、晏弱のライバル?だった崔杼のシーンにそれを強く感じました。

とにかく、ものすごく面白いです。
つづきが読みたいです、切実に。
(つまり手元にない)


晏子〈第3巻〉 (新潮文庫)
4101444234

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