『晏子 3』

晏子〈第3巻〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
4101444234


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読了。


古代中国春秋時代の斉において活躍した晏子親子を中心に、国同士の策略や戦いを描く歴史小説。シリーズ第三巻。


晏弱亡き後、息子の晏瑛は古代どおりの喪に服す。智将を失った後も斉の霊公は大国晋への野望を持ちつづけたが魯を征服することもかなわなかった。太子光の資質に失望した霊公は光を廃太子し、愛妾・戎子の推す公子・牙を後継に据えようと考えはじめる。太子光の後見・崔杼と公子牙の背後にいる宦官・夙沙衛の暗闘が始まった。




あーおもしろかった。

豊かな大国なのだから大人しくしていれば安泰のはずの斉なのに、君主の抱く野心のためにくりひろげられる他国との政治のかけひきや戦争。

斉国内における権力争いからひきおこされる後継者をめぐる暗闘。

激動の歴史を扱っておりながらも格調高く、粛々とつづられる骨太の文章で、人と人との関わりから生まれる空気、感情、行動を描いていく、絶妙の距離感を堪能しました。

今回、面白かったのはやっぱり崔杼関連ですねー。
初めは霊公に絶大な信頼を寄せられていたのに、愛妾と彼女のとりまきによっていつのまにか距離ができ、後見している太子がぱっとしないせいで未来があやうくなっていく。そんな状況を指をくわえて黙ってみている人物ではないかれは、いろんな策を弄し、汚いこともあざといことも果断に成し遂げていきます。

ほかの敵対人物が無能だったり、礼を失していたり、人格に欠けるところがあったりとかなり悪し様に描かれることが多いのに、崔著だけは矜持の高さと美学を感じさせるあたりも、最大悪役としての存在感を際だたせます。

主人公が喪に服すためにおこもりしてほとんど出てこない間、完全に主役は崔杼だったような。

そして主人公が再登場しても、人間的な格はともかく、ドラマ的面白さのほうでは崔著が上のような気がします。

たしかに晏瑛は徳に優れた、すばらしい人物なのでしょう。
でも人間的な経験値や幅が感じられないので、わたしには生硬な人物に見えてしまうんですね。
まだたいして出番もないので、これからに期待というところでしょうか。

というわけで崔杼のもくろみの成否はいかに、てところでつづく、です。

つづきを早く読みたいです。
いや、買えばいいんですが。うん、買います。買いますとも。


晏子〈第4巻〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
4101444242

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