『決戦のとき クロニクル千古の闇 6』

決戦のとき (クロニクル千古の闇 6)
ミシェル ペイヴァー 酒井 駒子
4566024164


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読了。

六千年前のヨーロッパを舞台に、邪悪なシャーマンに目をつけられて苛酷な運命と立ち向かう少年の成長を描く、先史時代ファンタジー。完結編。

トラクの〈生霊わたり〉の素質を狙う〈魂食らい〉イオストラの攻撃は、多くの氏族に壊滅的なダメージを与えかねないものとなっていた。氏族の危機に責任を感じ、父親の魂が危機にあることを感じとったトラクは、ワタリガラス族の族長フィン=ケディンの言葉を振りきり、ひとりきりで〈魂食らい〉と対決するために旅立った。




これでもかと悲惨な目にあいつづける少年トラクくんの無鉄砲なたたかいと、かれを兄貴と慕いつづける狼ウルフとかれを想い懸命に支える少女レンの健気な姿を描くシリーズも完結編となりました。

責任感と罪悪感に苛まれつづけているトラクは、しだいにすべてを自分ひとりで背負い込もうとして、他人の助けを拒絶するようになっています。開始当初から三年が過ぎてトラクも十五歳。自己完結っぷりがひどくて鼻につきますが、これも自意識が強烈に肥大する思春期のなせるわざなのかなと思うのでいたしかたないかも。

しかし、トラクが巻き込みたくないと拒絶したウルフはイオストラに目をつけられて悲惨な状況に陥ります。そして、トラクを追いかけるレンにも苛酷な旅路が待っています。

相変わらずのハード環境。ハード展開。
先史時代のひとびとのタフネスさには感心するばかり。

そしてとうとう、〈魂食らい〉イオストラとの最後の対決……。

もうすこしいろいろと書いて欲しかったかなあと思う部分もありますが、内容的にはきちんと完結。きびしいことはいろいろとありましたが、かなり大団円といっていいラストで読後感は悪くなかった。

わたしがもっと読みたいなと思ったのはイオストラの過去だったり〈魂食らい〉たちが集った理由だったりするわけですが、対象年齢や枚数の枠内に収めるためにはこれがベストの書き方だったんだろうなーと想像できてしまうので、しようがないか。ちょっと残念ですが。

最後までトラクを見捨てないウルフとレン。
とくにウルフの姿には和ませていただきました。
自分もひどい目に遭ってるのに、しかもそれはトラクのせいなのに、ま、そのことはウルフは理解していないんですが、危機に陥ったトラクのために全身全霊をかけてくれて、もううるうるしどおしでした。

某作品の狼のことがあったのでウルフのことも相当心配しましたが……よかった。

それと、いままでどおり先史時代の暮らしをまざまざと体感させてくれる描写がたいそう素敵でした。

トラクがもらったあたたかな服の描写は、冬に読みたかったですw


シリーズ開幕編はこちら。
オオカミ族の少年 (クロニクル 千古の闇 1)
ミシェル ペイヴァー 酒井 駒子
4566024113

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