『銃・病原菌・鉄 上 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ジャレド ダイアモンド 倉骨 彰
4794210051


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読了。

どこかの新聞の書評欄で「ゼロ年代の一冊」とかなんとかいう企画にあがっていた本。
そういえば読みたかったのよねと思いだし、そういえば持っている人がいたよと借りて読みました。

面白かった!!
これまでの大なり小なりかなりバイアスのかかっていた人類史を、現代科学に裏打ちされた最新の資料による新たな視点に立って公正に読み解いていく、知的なスリルに満ちた一冊です。あ、下巻もあります。まだ読んでませんが。

南米の文明が旧大陸からの感染症によって滅んだことなどはもう定説と言っていいかもしれませんが、そのことが広まったのはこの本のおかげだったのでは。

最終的には現代における経済的・文明的な発展の結果つけられてしまった地域格差はどこからきたのか、ということがテーマなんですが、そのために積みあげられていく膨大な証拠に、目から鱗が落ちまくりました。

上巻の内容は以下の通りです。


日本語版への序文――東アジア・太平洋行域から見た人類史

プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
 ヤリの素朴な疑問
 現代世界の不均衡を生みだしたもの
 この考察への反対意見
 人種による優劣という幻想
 人類史研究における重大な欠落
 さまざまな学問成果を援用する
 本書の概略について

第一部 勝者と敗者をめぐる謎

 第1章 一万三〇〇〇年前のスタートライン
  人類の大躍進
  大型動物の絶滅
  南北アメリカ大陸での展開
  移住・順応・人口増加

 第2章 平和の民と戦う民との分かれ道
  マオリ族とモリオリ族
  ポリネシアでの自然の実験
  ポリネシアの島々の環境
  ポリネシアの島々の暮らし
  人口密度のちがいがもたらしたもの
  環境のちがいと社会の分化

 第3章 スペイン人とインカ帝国の激突
  ピサロと皇帝アタワルパ
  カハマルカの惨劇
  ピサロはなぜ勝利できたか
  銃・病原菌・鉄

第2部 食料生産にまつわる謎

 第4章 食料生産と征服戦争
  食料生産と植民
  馬の家畜化と征服戦争
  病原菌と征服戦争 

 第5章 持てるものと持たざるものの歴史
  食料生産の地域差
  食料生産の年代を推定する
  野生種と飼育栽培種
  一歩の差が大きな差へ

 第6章 農耕を始めた人と始めなかった人
  農耕民の登場
  食料生産の発祥
  時間と労力の配分
  農耕を始めた人と始めなかった人
  食料生産への移行をうながしたもの

 第7章 毒のないアーモンドのつくり方
  なぜ「栽培」を思いついたか
  排泄場は栽培実験場
  毒のあるアーモンドの栽培化
  突然変異種の選択
  栽培化された植物とされなかった植物
  食料生産システム
  オークが栽培されなかった理由
  自然淘汰と人為的な淘汰

 第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
  人間の問題なのか、植物の問題なのか
  栽培化の地域差
  肥沃三日月地帯での食料生産
  八種の「起源作物」
  動植物に関する知識
  ニューギニアの食料生産
  アメリカ東部の食料生産
  食料生産と狩猟採集の関係
  食料生産の開始を遅らせたもの

 第9章 なぜシマウマは家畜にならなかったのか
  アンナ・カレーニナの原則
  大型哺乳類と小型哺乳類
  「由緒ある家畜」
  家畜化可能な哺乳類の地域差
  他の地域からの家畜の受け入れ
  家畜の初期段階としてのペット
  すみやかな家畜化
  繰り返し家畜化された動物
  家畜化に失敗した動物
  家畜化されなかった六つの理由
  地理的分布、進化、生態系

 第10章 大地の広がる方向と住民の運命
  各大陸の地理的な広がり
  食料生産の伝播の速度
  西南アジアからの食料生産の広がり
  東西方向への伝播はなぜ速かったか
  南北方向への伝播はなぜ遅かったか
  アメリカ大陸における農作物の伝播
  技術・発明の伝播

第3部 銃・病原菌・鉄の謎

 第11章 家畜がくれた死の贈り物
  動物由来の感染症
  進化の産物としての病原菌
  症状は病原菌の策略
  流行病とその周期
  集団病と人口密度
  農業・都市の勃興と集団病
  家畜と人間の共通感染症
  病原菌の巧みな適応
  旧大陸からやってきた病原菌
  新大陸特有の集団感染症がなかった理由
  ヨーロッパ人のとんでもない贈り物




多少、重複が多いものの、それも読みやすい本をめざした結果かなと思われます。
わたしのようなずぶの素人でもちゃんと理解できたのがその証拠。

これまでバラバラに勉強したり、読んだりして、断片的に覚えてきたことが、まるっと地球的にまとまって頭の中でつながった気がしました。

カンドー……。

もうこれだけ読んで満足してしまいそうなのですが、下巻もおそらくそのうちに読むと思います。


銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ジャレド ダイアモンド 倉骨 彰
479421006X

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