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『黒方の鬼 陰陽ノ都 月風譚』

陰陽ノ京 月風譚 黒方の鬼 (メディアワークス文庫)
渡瀬 草一郎
4048682245


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読了。

平安朝を舞台に陰陽師たちの活躍を描く、伝奇アクション。


平安を願って名づけられた京の時代。しかし東や西で反乱が起き、世情はいたって不穏になりつつあった。ある夜、京では誰にも知られることなく、黒方の香の香る異形がひとりの公達を呑みこんだ。いっぽう、陰陽寮の暦生・賀茂光榮は住吉兼良とともに、ときの権力者である左大臣藤原実頼を呪詛するものの調査を命ぜられる。身なりかまわぬ野性的な光榮は、実力とその存在感で行儀の悪さをかろうじて見逃されている問題児。対して住吉兼良はひややかな貴公子然としており、ふたりはたいそう折り合いが悪かった。光榮は年下の同僚・阿倍吉平とともに左大臣の身辺を探り始める。




電撃文庫で刊行された『陰陽ノ京』のつづき? というか外伝?
主役が陰陽頭である賀茂保憲の息子光榮になり、光榮の野性的なキャラクターのせいか動的な雰囲気を増しています。

そしてけして仲はよくなく、むしろ敵愾心を互いに持っているのに、なぜかツーカーの間柄である、住吉兼良との絶妙な……絶妙な、えーとなんといえばいいのだろう、共闘? 連携? による作戦遂行が面白いです。

とはいえ、それは話の後半にならないとわからないので、それ以外だと光榮の傍若無人な態度と不器用な優しさとか、アクションの切れ味とか、展開のすばやさとか、伝奇アクションものにふさわしい、娯楽作品として洗練されてきたというのか、とにかく、著者について何も知らない伝奇好きが読んでもすんなり受け入れられる作品になってるなあと感じました。

その分、当初感じていたわたしがこのシリーズが好きな理由である叙情性が薄れてしまったようなのが残念です。

この作品単品でも楽しめるようになっていますが、シリーズを読むと登場人物の背景をしることができるのでいっそう楽しめると思います。

個人的には吉平くんと貴年ちゃんのやりとりにはニマニマさせられました。
吉平君て天性のタラシだと思う……いまは子供で謙虚で真面目な姿勢ばかりが目立っているのでほとんどの人が気づきませんが、かれの個性は完成され切っているので大人になってもこのままなんじゃないかという気がしてなりません。

そしたら、中年になってもこのまんまかい、とか、そのときやっぱり中年になってる貴年ちゃんはどうなってるんだとか、どうでもいい妄想を膨らませてしまいました……。

いやいや、この話はそういうところを読む話じゃないですね。うん。


光榮の同年代の叔父で文章生・慶滋保胤を主人公としたシリーズ開幕編はこちら。

陰陽ノ京 (電撃文庫)
渡瀬 草一郎 純 珪一
4840217408

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