『竜の夢見る街で 3』

竜の夢見る街で (3) (完) (新書館ウィングス文庫) (新書館ウィングス文庫 154)
縞田 理理 樹 要
4403541542


[Amazon]


読了。

現代ロンドンを舞台に、孤独なドラゴンと、ドラゴンと出会ってしまった人々に起きる騒動をハートフルに描く、ローファンタジー。シリーズ完結編。

収録作品は、以下の通りです。


己が望みを誰が知る
すこやかなる時も、病める時も

あとがき




「すこやかなる時も……」は後日譚ですね。

魔法で人間の姿に変えられたドラゴン、俺様で孤独なキャスパーの、不器用なかわいらしさ(苦笑)を愛でるシリーズだったなあ……とわたしは思います。
不器用でかわいらしくて、さらに超鈍感で天然。

自分を人間の姿に変えた魔法使いケヴィンの転生を待ちこがれていたキャスパーが、あたりをつけた若者コリンは、最終的にはキャスパーの導き手だったのねーと思いました。

それをいうならば、コリンの住むアパート、アシュトン・テラスの住人達はみんな孤独で不器用な寂しがりでした。

孤独だから不器用になるのか、不器用だから孤独になってしまうのか。
自分の世界に閉じこもりがちで社会経験値の低くなってしまったかれらと、社会への橋渡し役になるのがコリンだったんだなー。

この話、ドラゴンと大魔法使いの因縁話としてだけでも成立すると思うのですが、それだけだとちょっと暗い雰囲気になりそう。すくなくとも、これほどぬくもりのある明るいお話にはならなさそう。

コリンという枠があるからこそ、コメディーやドタバタの要素が盛り込めて、お話としてもすっきりとまとまったんだろうなーと思いました。

それにキャスパーがかわいいのはやっぱりコリンの視点があるからこそ、ですよね。

その分、コリンのドラマはちょっと薄めになってしまった気がしますが、登場人物それぞれにさりげなく背景を書き添えてのラストの大団円には幸せな気持ちになりました。

とくに、キャスパーが教会に足を踏み入れたシーンが感動的だったです。

さいごまで理性を失わずにコントロールされていましたが、そこかしこに情感にみちた物語でした。

情に溺れて突っ走る話も好きですが、こういうかっちりした感じとほどほどの距離感と、遊び心と、さりげない心配りのある作品、とても好きです。

私の嗜好って分裂しているかも……(汗。


シリーズ開幕編はこちら。

竜の夢見る街で 1 (ウィングス文庫)
縞田 理理 樹 要
440354133X

Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)