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『銃・病原菌・鉄 下 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』

銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ジャレド ダイアモンド 倉骨 彰
479421006X


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読了。

地球上に生まれた文明の辿ったみちのりはどのように決定されたのかを、科学的な証拠とフラットな立場で考察する、人類史の下巻。

目から鱗が落ちまくりだった上巻を読み終えてから二ヶ月。
ようやく下巻を読みました。

著者の展開する考察の拠り所は、上巻と変わらず、考古学的な証拠です。格段に進歩した現代の技術によって年代の特定された遺物によって、できるだけバイアスをなくした視点に立って、論理を組み立てる。

そのやりかたを、歴史的に問題となってきた、あるいは問題にもされずに決めつけられてきた、様々な事柄に当てはめて文明史を読み直そうとする試みが、下巻でも展開されています。

目次は以下の通り。


第3部 銃・病原菌・鉄の謎(承前)

 第12章 文字をつくった人と借りた人
  文字の誕生と発展
  三つの戦略
  シュメール文字とマヤ文字
  文字の伝播
  既存文字の借用
  インディアンが作った文字
  古代の文字表記
  文字を使える人びと
  地形と自然環境の障壁

 第13章 発明は必要の母である
  ファイストスの円盤
  発明が用途を生む
  誇張された「天才発明家」
  先史時代の発明
  受容されなかった発明
  社会によって異なる技術の受容
  同じ大陸で見られる技術の受容のちがい
  技術の伝播
  地理上の位置の役割
  技術は自己触媒的に発達する
  技術における二つの大躍進

 第14章 平等な社会から集権的な社会へ
  ファユ族と宗教
  小規模血縁集団
  部族社会
  首長社会
  富の分配
  首長社会から国家へ
  宗教と愛国心
  国家の形成
  食料生産と国家
  集権化
  外圧と征服

第4部 世界に横たわる謎

 第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー
  オーストラリア大陸の特異性
  オーストラリア大陸はなぜ発展しなかったのか
  近くて遠いオーストラリアとニューギニア
  ニューギニア高地での食料生産
  金属器、文字、国家を持たなかったニューギニア
  オーストラリア・アボリジニの生活様式
  地理的孤立にともなう後退
  トレス海峡をはさんだ文化の伝達
  ヨーロッパ人はなぜニューギニアに定住できなかったか
  白人はなぜオーストラリアに入植できたか
  白人入植者が持ち込んだ最終産物

 第16章 中国はいかにして中国になったのか
  中国の「中国化」
  南方への拡散
  東アジア文明と中国の役割

 第17章 太平洋に広がっていった人びと
  オーストロネシア人の拡散
  オーストロネシア語と台湾
  画期的なカヌーの発明
  オーストロネシア語の祖語
  ニューギニアでの拡散
  ラピタ式土器
  太平洋の島々への進出
  ヨーロッパ人の定住をさまたげたもの

 第18章 旧世界と新世界の遭遇
  アメリカ先住民はなぜ旧世界を征服できなかったのか
  アメリカ先住民の食料生産
  免疫・技術のちがい
  政治機構のちがい
  主要な発明・技術の登場
  地理的分断の影響
  旧世界と新世界の遭遇
  アメリカ大陸への入植の結果

 第19章 アフリカはいかにして黒人の世界になったか
  アフリカ民族の多様性
  アフリカ大陸の五つのグループ
  アフリカの言語が教えてくれること
  アフリカにおける食料生産
  アフリカの農耕・牧畜の起源
  オーストロネシア人のマダガスカル島への拡散
  バンツー族の拡散
  アフリカとヨーロッパの衝突

エピローグ 科学としての人類史
  環境上の四つの要因
  考察すべき今後の課題
  なぜ中国ではなくヨーロッパだったのか
  文化の特異性が果たす役割
  歴史に影響を与える「個人」とは
  科学としての人類史

  訳者あとがき
  索引




上巻とやってることは同じなので、資料が挙げられた時点でどのような結論が出るのかはだいたい想像通りになります。

なので、上巻ほどのインパクトはなかったですが、オーストロネシア人やアフリカのことは、そのこと自体をあまり知らなかったので、そうだったのかと思いました。

オーストロネシア人のところでは、インド洋の大津波のことを思い出しました。
東南アジアで発生した地震による津波が、マダガスカル島まで達したという現実に茫然としたあの出来事。
そうか、インド洋で繋がっているんだ、と気がついたあのときのショックが歴史的に裏書きされたような、そんな心地でした。たんにわたしの視野が狭かっただけなんだけどもね。

アフリカについては高校までの世界史ではほとんどなにも習わなかったような気がします。
その後、イスラーム関係は囓ったけれど、それ以外のことはぜんぜん知らなかったんだな。人類発祥の地はアフリカなのに、なんという知識の欠落だろうか。そのことにもまた吃驚。

古代から統一されてきた中国と、いまだに統一されないヨーロッパの比較も、面白かったです。
競い合ってこそ、技術は進歩していくんですねえ。

あと、あまり内容に関係ないけど印象的だったのは、「日本語を表記するのにまったく向いてない漢字を、日本人が使いつづけている」ことに関する文章でした。
アルファベット文化圏の人間には、漢字はとても効率の悪いめんどうな文字と映るのでしょうか。
わたしは日本人は漢字、カナ、かなの三種をもっているからこそ、豊かな表現をすることができているとおもっているのだけど。

というわけで、下巻はちょっとだれましたが、上下巻あわせてみれば知的興奮にドキドキするたいそう面白い本でした。

人間の技術の発展は、けっきょくのところ環境とタイミングによって左右されてきたのかなあと思いました。


銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ジャレド ダイアモンド 倉骨 彰
4794210051

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