『トゥルーブラッド 1 闇夜の訪問者』

トゥルーブラッド1 闇夜の訪問者 (ソフトバンク文庫NV)
シャーレイン・ハリス 多田 由美
479735383X


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読了。

現代アメリカ南部の田舎町を舞台に、テレパスの若い女性とヴァンパイア男性の出会いと連続殺人事件を描く、ロマンス風味のミステリシリーズ。開幕編。


退屈な南部の町ボン・タンで祖母と暮らし、ウェイトレスをしているスーキーは二十六歳。生まれ持ったある障害=能力のために、それなりの容姿を持つにも関わらずほとんど男性とは無縁の生活を送っていた。スーキーは思っていた――わたしのヴァンパイアに会いたい。いまやヴァンパイアは特殊な感染症患者として市民権を得るに至っていたのだ。しかし、旧弊な田舎町に実物がやってくるはずもない。ところがそんなある日、スーキーの勤めるバー〈マーロッテ〉にヴァンパイアの男性ビルが訪れた。驚きながらも客のなかにヴァンパイアに対する暴力行為に及ぼうとする気配を察知したスーキーは、なんとかビルを救おうと行動を開始する。




おお、面白かった!

ツイッター的におすすめされて衝動的に購入したところ、期待以上に楽しかったので嬉しいです。

レーベル的にロマンスなのかなと思っていたのですが、まあロマンスはあるけれどヒロインの妄想が広がることもそれほどなく、むしろたくさんの人間が入れかわり立ち替わり出てきてヒロインにからみ、それはめまぐるしくスピーディーに展開するドラマに、えええっ、なに、今度はなに、どこへ行くの~って感じで突き進んでいくのに身を任せていく感じ。

翻訳物に多いロケーション描写が驚くほどに少なくて、南部というわりにその雰囲気は感じません。そのぶん会話が多い。会話でフクザツな人間背景の描写と人物描写をしているぶん、展開が速いみたいです。

ヒロインは年齢のわりに奥手ですが、十分な理由があるので嫌味になりません。むしろ、こんなんでよく普通に生きてこられたなと思うほど、苛酷な過去を持ってます。

その彼女が出会った運命のひとが、かれなのでしょうか。

ヴァンパイアが市民権を持ってる、というイフの設定部分はまだちょっと触れたという感じでそんなに詳しくは説明されていませんが、おかげでこの話はホラーでもオカルトでもない、一般人の思う常識からはみ出た人びとが一般社会で生きていく姿を描く、マイノリティーものになってる、ような気がします。

ビルに南北戦争従軍という妙に現実的な過去があるのも、ファンタジー的なあるいは伝説的な存在としてよりも、ひとつの人間の個性としてのヴァンパイアを書こうとしているのかなという印象を受けました。

スーキーとビルの関係にもリアリティーがあり、ロマンスのふわふわとした雰囲気は感じなかったです。

メインになってるのは超常現象やエロではなく、自分らしく生きていく場所を得るための戦い。そこに燃えます。

なのでジャンル分けが難しい。
この巻はいちおう連続殺人が起きてるからミステリかな、とそれくらいのノリです。

スーキーがビルと幸せになるためには大きな障害があることは目に見えているので、それをクリアするまでにはそうとうな紆余曲折や波乱がありそうですね。

ほんとにそういう話かどうかは知りませんが、それを知るためにも続きが読みたいです。

ヴァンパイア以外の人ならぬものも存在すると判明したので、まだ他にも出てくるかもしれませんし。個人的に出てきて欲しいのは狼男です。ドキドキ。

ああ、どうしてこのシリーズは図書館に入ってないの(涙)←衝動買いした理由。


トゥルーブラッド2 歪んだ儀式 (ソフトバンク文庫NV)
シャーレイン・ハリス 多田 由美
4797353848

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