『嘘つきは姫君のはじまり 恋する後宮』

嘘つきは姫君のはじまり 恋する後宮 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ 四位 広猫
4086012693


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いただいて読了。

平安時代を舞台に、あるじの身代わりにいまをときめく藤原家の姫君として後宮にあがることになってしまった女の子の、恋と事件を描く、ロマンティック・ミステリシリーズ、第三巻。


藤原家の妾腹の姫君馨子の身代わりとして、とうとう御匣殿として後宮にあがった宮子。東宮のやさしい気遣いもあって貞観殿におちついた彼女は、後宮には様々な女人が住んでいることを知る。東宮の妃候補でもある帝の姪の女一の宮の度重なる誘いに弘徽殿を訪れた宮子たち。女一の宮付きの女房・宣旨と馨子との間に始まった言い合いは、なぜかその場に現れた藤壺の中宮によって、貞観殿対弘徽殿の物あわせで決着をつけることになってしまった。いっぽう、宮中では不審火がつづいていたが、その理由はいまだに不明のままだった。




ふー、面白かったw

て読んでる時はただそれだけだったのですが、あらすじ書くのにてこずりました。
この話、結構複雑な構成だったのね、ミステリだしな。

著者あとがきに「謎少なめ・ロマンティック多め」を目指したと書かれていまして、たしかにものすごく糖度は高かったですが、やっぱり謎も結構あると思う……。

それに登場人物が多くて、それがまたなかなか漢字変換がさくっとできない方たちばかりなんですよね(苦笑。

ミステリとしてはいつものとおりわたしには評価できませんけど(謎解きをしようという気が端から欠けているので)、次郎君=東宮の積極的な態度には、おおう! と感動しましたv

こんなに熱烈に想いをうち明けられて、ぐらぐらこないはずがない。
それでも真幸が好きだという、宮子のその自信の根拠がどこからくるのかを私は知りたいです。蛍の宮もさりげなく存在感を増しているしねえ。
とはいえ、真幸君はほとんど出番ないから株のあがりようもないんですよね、とっても哀れですが!(苦笑。

わたしとしては、九条家の一族たちの揃いも揃って策略好きの仕切りたがりな人たちが宮子に「さすがは血族」と溜息つかせるのがたまらなくおかしいです。

あと、有子姫のぶっきらぼうな親切が好きw
彼女、ぜったいに真幸をおもちゃにしてますよ、うん。

それと、後宮のようすがこんなに日常的にかんじられる文章を読んだのは初めてかもしれません。
夕暮れ時の、灯台に火を入れたり、滝口の武士の弦打ちするのとかが、とても臨場感があって好きです。

後宮の女たちはこんなふうに日常的にあっちこっちに遊びに行って、雅やかなおしゃべりを楽しんでたりしたのかなあ。
当時の平民にとってはまったくの別世界だったろうなあ。

そういえば、この話、僧侶は出てくるけど陰陽寮のかたがたはお目見えなさいませんね。
宣耀殿の女御が嫌がらせにあったところとか、物忌みしたりしなくていいのかしらと思ったり。

そうじて文章はとても地に着いていて不安なく読めます。
いきなり現代用語が混じってもそれが浮かないだけの下地があるなあと感じます。

というわけで安心して楽しめるシリーズです。
つづきも順次読み進めたいと思います。

嘘つきは姫君のはじまり 姫盗賊と黄金の七人(前編) 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ 四位 広猫
408601310X

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