『嘘つきは姫君のはじまり 姫盗賊と黄金の七人 後編』

嘘つきは姫君のはじまり 姫盗賊と黄金の七人(後編) 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ 四位 広猫
4086013401


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いただいて読了。

平安朝を舞台に身代わりで姫君になった女の子がいろんな事件に巻き込まれる、ロマンティックミステリ。シリーズ第五巻。

京の都を二分する盗賊集団のひとつ、春秋党の跡目争いから起きた連続殺人事件の解決編です。

ひとりで後宮にあるという鏡を探す宮子があれよあれよと東宮たちを巻き込んで、探索と陰謀のなかで糖度の高いやりとりを繰り返す後宮パート。

盗賊親分の別宅・百舌殿で起きる連続殺人に戦々恐々、スリルとサスペンスと謎解きと意外な人物の意外な行動に驚いたりできる盗賊パート。

ダブルプロットでいっきに駆けぬける、密度の高い展開でした。
面白くてとんどん進んで息を抜く暇がないので、読後はちょっと放心。

ミステリとしてサスペンスとしてロマンスとして、いろいろとたのしめる一冊です。

ここに空気感とか雰囲気とかをつたえてくれるような情景描写があればいいのになあ。
あまりにも詰め込まれているので、わたしのような古い人間は息抜きとかインターバルが欲しくなったりするのですね。

そういえば、先頃読んだ米国産ロマンスやファンタジーにもそんな感想を抱きました。
描写を切り詰めて、展開をはやく、というのは世界的な流れなのでしょうか。
映像で育った世代の共通感覚なのかな、もしかして。
もしくは、そういうのじゃないと受け入れてもらえない、というのもあるかもしれない。

行間を読んだり、情景にひたったり、そういうことが好きな人間には少し寂しいです。

というのは置いておいて。

宮子が後宮で東宮とあんなこんなをしているうちに、真幸は有子姫と接近していたのですね。
本人たちはぜんぜん認識してないようだけどw
馨子に臆面もなく求愛する源氏の若者も面白いです。
どんなちょい役にもちゃんと個性があって、愛情が感じられるのが好きです。

そして、前編同様、貴族だけではない平安期の生活がうかがえるさまざまな文章がたいへん興味深かったです。

見たて殺人だけはあんまり好きじゃなかったですが……。

ともあれ、大変楽しみました。
つづきも読みます。


嘘つきは姫君のはじまり ふたりの東宮妃 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ 四位 広猫
4086013665

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