『嘘つきは姫君のはじまり 東宮の求婚』

嘘つきは姫君のはじまり 東宮の求婚 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ 四位 広猫
4086013940


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いただいて読了。

平安時代、あるじの身代わりに姫君として後宮にあがった女の子の恋と後宮を巡る事件を描く、ロマンティックミステリ。シリーズ七冊目。


東宮から熱い想いをうち明けられて、身代わり姫であることに罪悪感を抱くようになっていた宮子は、行方不明だった一条の大姫が東宮妃をめぐる争いに名乗りをあげたことに混乱していた。駆け落ちした大姫は恋人を失って実家に戻ったと聞くが、初めて顔を合わせた彼女は予想とは裏腹に積極的に東宮の寵愛を勝ち取ろうとしていた。不安に陥った宮子に追い打ちをかけたのは大姫に貸した扇。返されたそこには、「乳姉妹の秘密を知っているから東宮妃を辞退するように」という文章が書かれていた。




話は急展開、です。

大姫の想像以上のうつくしさ、かしこさ、優雅さに圧倒されて混乱する宮子は、大姫と東宮の親しげな様子に嫉妬に身を焦がすことになり、とうとう自分の次郎君への想いがなんであるかを自覚します。

そこに返された扇に脅迫文。
さらに、後宮に潜んだ賊に宮子が手荒な脅迫を受けるにいたり、馨子を筆頭とした九条家陣営は強く意志を持って迅速に体勢を整え始めます。

東宮妃候補をめぐる駆け引きは、大姫が駆け落ちした相手が属していた盗賊集団・鬼人党の内幕から、九条家の内輪もめ、源氏の大臣や蛍の宮、さらに女の子好きの女一の宮、藤壺の中宮を巻き込んで錯綜していきます。

いやー、すごいなこの構成力。
よくこの分量でまとまったものです。すごい濃縮展開。
そして気がついてみると、どのページも字で黒く埋まってる……。
この雰囲気、何かに似ていると思ったら、須賀しのぶ『アンゲルゼ』でした。

もしかして、このシリーズあんまり売れてないのかしらと、いらぬ心配をしてしまったりしました。

かなりぎゅうぎゅうに詰め込まれた話なので、緩急があまりなく、ラストまで緊張状態が続きます。面白いのですが、どんどん続きが読みたくなるのですが、それがやっぱりわたしには疲れます。集中力が減衰気味なので。

それと、つめこんだせいなのか、あるいは読者層を広げようとしているのかもしくはその反対なのか、わたしには判断つきかねますが、話の導入部には吃驚しました。男同士の濡れ場、しかもかなりあけすけ……(汗。

そういう話なんだと思って読めばなんてことはないのですが、そういう話だと思ってなかったのでショックでした。しかも、その後の展開にはあんまり関係なかったような気もするので、よけいに「あれにはなんの意図があったのだろう」と最後まで引きずってしまいました。

ネット小説なら、R18だろうと感じました。

最近、コバルトでもいろいろ色っぽい話が出てますが、話の流れでというならともかく、冒頭にこれは、ないんじゃないかな……わたしが几帳面すぎるのかな。

面白かったのにもやもやとしてしまったのが残念です。

わたしとしては珍しくミステリ部分でもやられたと思いましたし。

ところで、この話で一番楽しいのは女一の宮でございます!
蛍の宮もなかなか良かったけど、ちょっと演技過多だったかな。
そしてわたしは、次郎君のいとけない弟君が出てこないかなと思ってます。以前の「抱いてもよいぞ」には大受けしましたw


平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 寵愛の終焉 (コバルト文庫)
松田 志乃ぶ 四位 広猫
4086014378

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