『時の旅人クレア 3 アウトランダー3』

時の旅人クレア〈3〉アウトランダー〈3〉 (ヴィレッジブックス)
ダイアナ ガバルドン Diana Gabaldon
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第二次大戦直後から十八世紀のスコットランドへタイムトリップした女性の、波瀾万丈冒険ロマンス小説。シリーズ第三作で第一部完結編。

ネタばれすぎるのであらすじは省きます。

なんというジェットコースター展開!
ジェイミーの故郷にてつかの間に安らぎを得たふたりに、突如として襲いかかる危機に唖然茫然です。

ここまでは多少使命感と責任感と気が強いヒロイン、という印象のクレアでしたが、この巻ではまるでヒーローのような強いヒロインに変身します。

そして彼女を守るつもりでいたはずのジェイミー……すっかり形無し……(苦笑。

相変わらず、時代の風俗を描くディテールがすばらしく、ジェイミーの故郷でのエピソードは生活感がたっぷりです。ジェイミーの帰還にはしゃぎまわる犬たちに、弟ジェイミーそっくりの頑固者ジェニーと穏やかなイアンの仲むつまじい夫婦。かれらの息子小さいジェイミー。

ジェイミーとジェニーの兄弟げんかには圧倒されますが、その後ジェニーの語るエピソードは弟への愛にあふれていてほんわかとします。眠ってる赤ちゃんがなぜると微笑むなんて、それだけでううっ、可愛さが爆発してしまいます。

わたしはこの田舎生活のパートがとっても好きだー。

なのでその後の展開のハードさにちと着いていけなかったりしました。

案の定、敵はランダル中尉なわけですが……。
ここまで虐待される姫を読むのは久しぶりかもしれません。
姫といっても男だからかもしれませんが。

その後のクレアの奮闘ぶりには涙ぐましいものがありました。
ここまで虐げられた人がこんなに短期間に回復するかーという疑問が湧いたりもしましたが、まあこれはお話なので……と受け入れるしかないんだろうなー。

心に残るのは、身を寄せた修道院で告解するクレアの姿です。
ひとりで背負うには荷が勝ちすぎる責任感や義務感、不安やおそれにおののく彼女に、ちゃんと救いが用意されていたこと。
激動する状況に流されてうやむやにならず、最初の疑問にたちかえってくれたことが読み手のわたしにも救いとなりました。

しかし、この終わり方はどうなのでしょう。
もしかするとこれがロマンス小説のお約束なのでしょうか。
緊張感が緩むにしても、脱力方向にいってしまうとは……いや、わたしだけがそう感じるのか?

いずれにしろ、第一部完というにはちょっと、あれれ~な終わり方でした。

その代わりなのか、翻訳者さんがあとがきでさかんに煽ってくれておりますがw
だけどこの煽りでわたしが続きを読みたくなるなんて片腹痛いのよw といいたくなってしまう展開のようです。

やはりわたしには欧米ロマンス小説は体質的に合わないのかな~。
面白いところは面白いんだけど、うーん。
つづきをどうしようか、未だに悩んでおりますw


悩む理由は、第二部のこのタイトルにもある……。

ジェイミーの墓標 1 (ヴィレッジブックス F カ 3-4 アウトランダーシリーズ 4)
ダイアナ・ガバルドン 加藤 洋子
4863327048

Comment

No title

クレアがヒーローでジェイミーが姫な展開なんですよねw ロマンス小説としての常道から外れてますw
たしか山羊か羊にクレアが乗って羊の群れの大暴走を引き起こしたような記憶があるんですが…昔のことなのでおぼろげだったりします。
最後は、どんな終わり方だったかなぁ。ジェイミーの墓標につながる終わり方でしたっけ。
このシリーズ、ハードと日常の生活を行ったり来たりする展開なんです。ハードなときはとことんハードで息も絶え絶えになり、日常パートで息抜きの連続w
ジェイミーがこのときに負った心の傷は一生ものですから、性的虐待の記憶に向き合っていく姿が描かれるわけですが、性的暴力がクレアたちを襲うことが何度かあって、ちょっときついです。いや、ちょっとどころではなく^_^;

第二部のタイトルはねぇ。ネタバレになるからジェイミーがどうなったのか言えないのが辛い。
でもまぁ。クレアの相手役はジェイミーだけですからw
ロマンスがダメでもw 子犬のブトンをお供に施療院を仕切る修道女のマザー・イルデガルドのシーンだけは読んで欲しいですw
動物が良い味だしてるんだよね。

> たしか山羊か羊にクレアが乗って羊の群れの大暴走を引き起こしたような記憶があるんですが…昔のことなのでおぼろげだったりします。

牛です。クレアは乗ってなかった気がしますが、牛が牢獄の地下に押し寄せて中尉が圧死したと記されてましたが、たぶん生きてると思うんですよね……。

最後は温泉でのラヴシーンでした。ローマに行くとは言ってましたが、そのあと延々快楽描写がつつくので気が抜けましたw

> ジェイミーがこのときに負った心の傷は一生ものですから、性的虐待の記憶に向き合っていく姿が描かれるわけですが、性的暴力がクレアたちを襲うことが何度かあって、ちょっときついです。いや、ちょっとどころではなく^_^;

やっぱりそうですよね。あの傷がこんなにあっさりと癒されるわけがないですよね。
瀕死の病人にたいする荒療治の程度が凄すぎて、こんなこと不可能でしょーとひいてしまいましたが、ジェイミーの体力がすごかったということかなw

> 第二部のタイトルはねぇ。ネタバレになるからジェイミーがどうなったのか言えないのが辛い。

あ、そうなんですね。それを聞いて安心しました。
訳者あとがきで現代(といっても現在ではないけど)に戻ってきてて、しかも娘が大きくなってるなんて書いてあるものだから……。
でもそれじゃあ、フランクは不幸なままなのかな。
祖先の報い?

> ロマンスがダメでもw 子犬のブトンをお供に施療院を仕切る修道女のマザー・イルデガルドのシーンだけは読んで欲しいですw

動物は楽しいですよねー。
馬も犬もとても愛らしかったです。
それじゃあ、マザー・イルデガルドとブトンのエピソードを楽しみにつづきも読んでみますね。

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