『コルセットに翼』2~7

コルセットに翼 2 (プリンセスコミックス)
もと なおこ
4253196128


いただいて読了。

十九世紀から二十世紀へとうつりかわるイギリスを舞台に、出生に秘密を持つ孤独な少女が周囲の理解と助けに支えられて意志的にみずからの人生を選び取っていくさまを描く、ミステリアスな時代ロマンシリーズ。

母親を失い、育ての父を失って、寄宿学校に放り込まれた少女・クリス。
校長ミス・デズデモーナのサディスティックなまでに厳格な縛られた生活の中で出会った、少女たちと固い絆でむすばれ、支え合い、まなぶ努力をしてひそかに力を蓄えていく。

寄宿学校に向かう途中の駅でゆき出会った、車いすに乗った片眼の青年をミスター・バードと呼んでこころの支えするクリス。

虐げられての寄宿舎生活の間に偶然出会った病弱な画家ラファエルや、八百屋の少年リアム、小間使いアニーとの交流。

世紀をまたいで展開するこの話は女性たちの生き方の話だなーと思います。
クリスたち寄宿舎の女生徒たちはいうまでもなく、ラファエルの従姉妹で主治医のメアリ・ルースや、寄宿舎を卒業して貴族令嬢という地位を目的のために利用するジェシカ、みんな女性を差別する保守的な社会で生きていくためにさまざまな困難に立ち向かっている。

自分を強くすることで目的を遂げようとする少女たちはまだ未来があるからしあわせです。
他のものを利用することを覚えてしまったものたちが自立するのは容易ではないでしょう。
敵役ですがミス・デズデモーナも、女ひとりで女学校を経営するために苦労をしたに違いありません。彼女はその過程でかなり精神衛生を損なって病んでしまったようで、その所業は許されることではないのですけども、無条件で味方と呼べるような存在がみあたらないので相当孤独だったんだろうなーとは思う。

救いは、女性たちを利用し、食い物にしていく男たちばかりでなく、彼女たちをひとりの人間と認め、尊重し、ときには戦友ともすることのできる男性たちが登場することですね。

この話はそんな少女たちの前向きで意志的な姿勢が鮮烈な、すぐれた成長物語であると同時に、クリスの母親の素性と残された鍵にひめられた謎が謎を呼ぶ、スリリングなミステリーでもあります。

寄宿学校でのミス・デズデモーナとの戦いの日々のうち、最高学年になったクリスのまわりはまた急展開を始めます。

ミスター・バードとクリスの、本人たちがまだ知らない謎めいた繋がりや、ラファエルとクリスの養父の隠された繋がりや、母親の残した鍵の謎などなど、これでもか、とたたみかけてくる悲劇がらみの伏線となかなか全貌が見えてこないドラマに、スケールの大きさと人生の深淵みたいなものを予感させて、ドキドキです。

七巻までにはラファエルとミスター・バードことエリック・ローズデールに、何かの繋がりがあるらしいってところまでやってきましたが、なんとこの巻のラストに衝撃が。

すごーくつづきが気になるのですが!
八巻は二月に発売だそうですよ、ど……どうしよう。

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もと なおこ
4253196136


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4253196144


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もと なおこ
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もと なおこ
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