『扇舞う 1』

扇舞う〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
駒崎 優 高山 しのぶ
4344816897


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読了。


架空戦国歴史小説。シリーズ開幕編。

架空がどこにつくのかはよくわかりません。
とりあえず、出てくる国と人物は日本風ながら架空であることはたしか。
舞台が日本なのかもよくわかりません。時代も特定されていません。
ただ、風物や人びとの暮らしぶりからなんとなくそれっぽい文化背景がつたわってくるのと、国同士がいろんな駆け引きをしてすごしているので、なんとなく戦国時代のような気がするとわたしが感じただけです。

ようは面白い時代劇、一話完結じゃない大河風な、てかんじかな。

いきなり襲いかかってきた隣国に父親と兄たちを殺されて、突然当主になってしまった少年・応義祥三郎くんが主人公。
かれを支えて国の再興を目指す男たちの物語です。

ポイントは隠居していたかつての重臣・長坂藤兵衛が軍師として復活するというところ。ストーリー的にはこちらの軍師のほうが重要な人物かもしれません。隠居といってもまだ若いうちにしたらしいので、まだたいそう魅力的なおじさんのようですw

藤兵衛さんの下で働く九郎左右衛門さんははっきりとハンサムさんで、ちょっとシャリース隊長に似ていますw

作者さんはそれまでイギリスが舞台の時代小説や、ヨーロッパ風架空傭兵小説などを書かれていた方なので、和風な今作には多少とまどいましたが、どうしてどうしてなかなか説得力のあるお話でほううと思いました。

面白いですw

物語世界の文化よりも、これまの話があまり成長しない主役たちの歴史の周辺的ストーリーという印象だったのが、今回は歴史の動くど真ん中が書かれてるというところに大きな違いを感じました。

主人公が十二歳(数えだろうから、満ならもっと幼いでしょう)でいかにもこれから成長しますよ的なオーラが漂ってるあたりも、これまでとはあきらかに異なります。

それと、今回は敵役にも味方にもどうしようもない無能がいないような気配です。
あれはちょっと興ざめなので、これはかなり喜ばしいことです。

応義の重臣で小言担当の利右衛門さん、利右衛門さんの息子で祥三郎の幼なじみ利助くん、人当たりのよい馬番のくせに料理もこなす何でも屋平八郎さんと登場人物は定番ながらも存在感あり。

漁民の村に身を寄せることになってからの、男だらけの集団生活ではいつもの作者さんの持ち味が楽しめます。
海賊の頭・鬼丸さんもなかなか魅力的であります。

いっぽうで藤兵衛さんのめぐらす策がどんどん進んでいくのが読み応えあり。
ラスト直前の小さなほころびがあっというまに急転直下にむすびつくあたり、うわーと思いながら読みました。

しかも、何という終わり方なのか。

つづきを、はやくつづきを読みたい~と叫びましたが、あれ、まだ出ていないのですね?
出ない理由は知りませんが、とても気になるのではやく出して欲しいです。

ところで、扇を襲った今居家当主雅楽助さんですが、ちょっと誰かに似ているような気がする。
だれだろう……。

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