『レッド・アドミラル 羅針盤は運命を示す』

レッド・アドミラル 羅針盤は運命を示す (角川ビーンズ文庫)
栗原 ちひろ 榊 空也
4044514143


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いただいて読了。

男装の麗人が海軍での出世を目指す、ヨーロッパ十八、九世紀ふう異世界海洋冒険活劇ファンタジー開幕編。


マディス王国で、下級貴族で海尉だった父の影響で伝説のオルディアス艦長に憧れを抱くロディアは十九歳。成績優秀で何度も海軍への配属を望みながら女であるためにかなわず、近衛隊で嫌がらせを受ける日々を送っていた。ある日、同僚との決闘が原因で謹慎を言いわたされたロディアは、酒場での喧嘩に巻き込まれた最中、金銀妖眼をもつ若い男に「自分の船に乗れ」とスカウトされる。ランセと名乗るかれはれっきとしたマディス王国海軍レーン号の艦長だった。士官候補生扱いで乗船することになったロディアだが、レーン号には個性的に過ぎる士官たちの不吉な噂が船員の間に充満していた。




女王陛下のなんとか号みたいな雰囲気の海洋冒険モノかなーと想像しましたが、微妙にちがったw

天然女たらしの男装の麗人、内実は熱血軍人のロディアが、あこがれの海軍に斜め方向から入れることになって、その斜め方向がとんでもない運命のはじまりでした、というお話でした。

王道から微妙にずれたキャラクターたちが自己紹介がてら掛け合いをつづける序盤は舞台劇みたいなノリ。
ヒロインが男装なので宝塚にもなりそうな雰囲気?

中盤、不吉な噂と水兵たちとのいろいろが出てきた頃からようやく海軍ぽくなるのかなあと思いきや、今度はファンタジー設定が明らかになりまして。

最後にはやっぱり、ファンタジーで終わりました。て、まだ終わってないか。

唯一神と旧神の設定は、以前からの作者さんの考えをさらに進めたような感じですね。
『悪魔のソネット』では存在しなかった唯一神が、今回は均衡を司る神として登場するのが新鮮でした。

わたしが気になるのは旧神が顕現できるように小細工した術者です。
けっこう大変な術なんじゃないかと思うんだけど、やらせた権力者たちしか出てこなかったんで、そのあたりは重要じゃないんでしょうか。うーん、気になる。

ロディアのキャラクターは、タラシの男装の麗人ということで、なかなか新機軸なのかなと初めは思いましたが、基本的には従来の作者さんのヒロイン像とそれほど変わりはなかったようです。
まっすぐで猪突猛進で打算が無くて後先考えも無しなあたりが(苦笑。
どうしたらこういうタラシな女性が育つのか、理由を説明してくれたらもっと面白いのにと思いました。

いっぽう、ヒーローのランセは子供っぽく宣言する言動がちょっと苦手であります。も少し重みが欲しいような。

キャラクターの書き方に独特のものがある作者さんで、わたしはそのあたりに苦手を感じることが多いのですが、今回はやっぱり独特に理屈っぽいファンタジー設定のほうに興味がもてそう。

というわけで、つづきも読みたいと思います。

レッド・アドミラル 潜入捜査は戦乱の幕開け (角川ビーンズ文庫)
栗原 ちひろ 榊 空也
4044514151

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