『魔女メガンの弟子 上 エリアナンの魔女1』

エリアナンの魔女1 魔女メガンの弟子(上) (エリアナンの魔女 1)
ケイト・フォーサイス 井辻朱美
4198630917


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読了。

女性たちの活躍が印象的な古代スコットランド風異世界ファンタジー三部作、開幕編。


聞きたがりの少女イサボーはもうすぐ十六歳、老魔女メガンに魔女となる訓練を受けながらドラゴンクロウと呼ばれる山脈の麓に隠れ住んでいた。エリアナンの地では妖術師マヤが王妃(バンリー)となって以来、魔女や魔法生物への迫害が高まっていたからだ。メガンの属していた魔女組織カヴンは壊滅に近い打撃を受け、魔女たちはちりぢりになってしまっていた。メガンは命からがら落ち延びる途中でイサボーを拾ったのだ。メガンはイサボーに魔女としての第二の試験を受ける時期が来たと判断。メガンの要請により、魔女セイシェラ、魔法使いジョーグ、魔女イシュベルが危険をおかして立会人として集った。試験はとどこおりなく進むかと思われたが、その間にバンリー・マヤの命により魔女を狩る〈赤の憲兵隊〉がイサボーたちの間近に迫っていた。




先祖たちが故郷の迫害から逃れて宇宙を渡り、異世界にたどり着いたという伝説の残るエリアナンを舞台にした、魔女迫害ファンタジー(?)です。

翻訳が井辻朱美さんだったので借りてみました。
作者さんはオーストラリアのかただそうです。
最近、オーストラリアンファンタジーの翻訳が増えてきてるようですが、アメリカンとも違った趣向が興味深いです。このシリーズも、ええっ? な部分がありました。

たまげたのは「宇宙を渡り」というくだりです。
ファンタジーぽく見せかけて実はSFなんじゃ?
不安を覚えつつ読み始めましたが、宇宙というのはどうやら宇宙空間そのものではないようです。宇宙船も使ってないし、どちらかというと次元を超えたほうに近いかも。
部族全体で異世界に落ち延びた、という感じでしょうかね。
ラッキーのヴァルデマール年代記の次元版?

で、冒頭に掲げられた文章を見ると、なんとなくスコットランドの部族がまるごとトリップしてしまったような想像をしてしまったわけですが……違うよね?(汗

とりあえず、固有名詞やなにやかやからはケルトっぽい雰囲気が漂っていると思います。

最初は物語世界に関する説明が多くて、なんとなく用心しいしい読み始めたんですが、イサボーの試験が終わってからの怒濤の展開が面白いのなんの。

ヒロイン・イサボーそっちのけで頑張る老魔女メガンの姿に、わたしは痛く感情移入してしまいました。

とくにドラゴンのとの邂逅はすばらしかった。
ここでいろんな過去や秘密やあれやこれやがあきらかになるんだけど、とにかくドラゴンの威圧感が素敵で、メガンが何度も死にそうになるのにひやひやしました。

魔女の組織や迫害との戦い、世界に漂う魔法の気配や歴史の陰影、それぞれに異なる立場にいる女性の意志的な姿、伝説とからみあう過去の秘密、陰謀、などなど、濃厚なエピックファンタジー好きにはたまらない展開です。それを老魔女視点で描いていくすばらしさ。

老魔女ばかりでなく、老魔法使いも頑張ってます。

メガンが出会うたぶんもうひとりのヒロインの造形は、イサボーよりも好きですw
イサボーって人の言うことを聞かない主人公の典型なんで、読んでてイライラしてしまう部分があるのですよね。

まあ、イサボーは自分の行いの報いをすぐにうけることになりますので、最後にはかなり同情してしまいましたが……って、なんでこんなところで終わる!

上下巻なので、これからお読みになる場合はきっちり二冊揃えてからをおすすめします。
下巻が先月末の刊行だったので図書館にはまだ入ってません(涙。

エリアナンの魔女2 魔女メガンの弟子(下) (エリアナンの魔女 2)
ケイト・フォーサイス 井辻朱美
4198631093

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