『白鳥のひなと火の鳥』

白鳥のひなと火の鳥 (創元推理文庫)
パトリシア・A・マキリップ 大友 香奈子
4488520138


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読了。

象徴と幻想に満ちあふれた異世界ファンタジー。『女魔法使いと火の鳥』の続編。


〈白鳥のひな〉を象徴とするロウ王国。女王の住まうロウ・ハウスに各地の権力者たちが集っての会議がようやく始まった。ところが会議の最中、謎の魔法使いがロウ・ハウスに忍び込み、なにかを盗み出そうとする。〈白鳥のひな〉の守護者であるメグエットはかろうじて魔法使いを追い出すが、その後、悲痛な鳴き声で人を物質に変える火の鳥が飛びこんできて、ロウ・ハウスは大混乱に陥った。火の鳥は魔法で変身させられた若い男性で、かれは月の出から真夜中までしか人の姿に戻れず、記憶をすべて失っていた。〈白鳥のひな〉の後継者で女魔法使いのニクス・ロウは、火の鳥の魔法をしらべるうちに、謎の魔法使いの狙いが過去の偉大な宮廷魔法使いクリソムの本であることを知り、好奇心を募らせる。




前巻ですったもんだのすえにようやく会議がはじまったロウ王国。
今度は正式に後継者となったかつての沼地の魔女ニクスと、王国の守護者メグエットが、魔法の未知で繋がった異国からの不審な客人とその背後にある大きな力と対決することになるお話です。

前作同様、文章がなかなか頭の中に入ってこないため、混乱に拍車がかかって「この本、最後まで読み通せるんだろうか」と不安になったり。実際、途中で何ヶ月か放置してしまってました(汗。

もう一度あらためて読み始めると、冒頭を読んでいる時点では想像もつかなかった、ぶっとび展開。
マキリップには比較的珍しい、時と場所をぽんぽんと飛んでいく動的な物語にちょっと、いやかなりとまどわされました。

そして、読み終えておもったのは。

これってコメディーだったのかな、もしかして?

国の象徴が眼に見えるというような幻想設定はいかにもマキリップ。だけど、登場人物の多さとかれらのちょっと変わった言動や、かれらから距離を置いてのちょっと皮肉な描き方も、ふだんのマキリップの受動的幻想小説とはかなり異なってる。

なかなか感情移入の困難な登場人物の自立した個性と、空間を飛び越えての移動に、親子間の皮肉な関係ありなあたりは、ちょっとダイアナ・ウィン・ジョーンズに似ている気がしました。

そう考えると、このシリーズはコメディーだったのではという思いがさらに強くなってきて、いまはその視点で読み返してみたいという気持ちが強いです。

全然的外れなことを言ってる確率はかなり高いけど、これはわたしはそう感じたというお話。

一冊読み切るのにこれだけ苦労したのにまた読み返したいなんて、酔狂だなと自分でも思うw


前作はこちら。シリーズは二冊で完結です。

女魔法使いと白鳥のひな (創元推理文庫)
パトリシア・A・マキリップ 大友 香奈子
448852012X


ところで、ロウ王国の象徴〈白鳥のひな〉ってどんなビジュアルなんでしょうかね。
わたしの脳裏にはどうしても醜いアヒルの子が浮かんできてしまうので、なんだかいまいちカッコつかないような感じなんですが(苦笑。

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