『楽毅 1』

楽毅〈1〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
4101444277


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読了。

古代中国戦国期、小国・中山の宰相の跡継ぎ楽毅の奮闘を、飾り気のない重厚な文章で描く歴史小説。


古代中国戦国期。小国でありながら王を名乗った中山国はそれまで懇意にしていた国から蔑まれるようになった。その中山国・宰相の息子楽毅は、ひそかに敵対する大国・斉へ留学し孫子の教えを学びながら人が生きることについて感じていく。祖国へ戻った楽毅は隆盛を誇る趙の侵略の標的になりつつ、何も手を打てずにいる実態を目の当たりにした。王に疎まれ、危険な最前線へと赴かされる太子の人柄にうたれた楽毅は、太子のために祖国のために趙の危険を遠ざけようと尽力し始める。




激動の中国歴史小説です。
あいかわらずの、たんたんと落ち着きつつ情と景がしずかにながれていくような宮城谷節に酔いました。

まなざし清かな青年・楽毅の冷静でありながら熱い存在感と人間的なレベルの高さ。
高潔な人物を題材にして嫌味にならないあたりは、サトクリフに似ているかも。

それでいて権力者にどうしようもない人物をさらりと描いてしまうのも、宮城谷調ですね。
善と悪ではなく、愚者と賢者がはっきりわかれているところが氏の小説の特徴なのかなーと、ふと思いました。

外敵である趙王の脅威を小兵を持って迎え撃つ戦記物の面白さと、王太子を廃そうとする王との宮廷陰謀劇が同時進行する、スリリングな展開がとても刺激的。

一巻のラストで「えええええーっ!?」となってしまったのではやくつづきが読みたいです。

楽毅〈2〉 (新潮文庫)
宮城谷 昌光
4101444285



ところで、話の冒頭で出てきてそれからもちょこちょこ出てくる重要人物がおります。
斉の薛公いわゆる孟嘗君です。

薛公は楽毅よりもはやく世に出て名声を得ています。ので読み出してからこちらを先に読むべきだったと臍をかみました。

孟嘗君(1) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
4062638622


なんでだかわからないけど、すでに読んだような気がしてたんですよね。理由は謎。
『楽毅』のつづきを読む前にこっちを読んだほうがいいのかなー。いや、途中で浮気をすると話がわからなくなるかもしれないなー。でも前提条件がわからないままに読むと理解度が低いままだしなー。

……悩みます。

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