『クシエルの使徒 3 罪人たちの迷宮』

クシエルの使徒〈3〉罪人たちの迷宮 (ハヤカワ文庫FT)
ジャクリーン ケアリー Jacqueline Carey
4150205132


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読了。

高級娼婦兼スパイとしてそだてられたヒロインが、有象無象のひしめく宮廷の陰謀と国家間の駆け引きに巻き込まれつつ祖国のために奮闘する、ヨーロッパ中世風異世界波瀾万丈陰謀活劇。第二部完結編。


国家反逆罪で死刑判決を受けた後行方をくらましたメリザンドの消息を求めて、ラ・セレニッシマへと向かったフェードルたち。そこで驚天動地の真実をしった彼女はメリザンドによって難攻不落の監獄に監禁された。脱出を試みたのち海に転落したフェードルはイリュリアの海賊に救われる。囚人から海賊の捕虜へとめまぐるしく変化する運命の中、フェードルはメリザンドによるテールダンジュ女王イサンドル暗殺計画を阻止しようと懸命に頑張るが、海賊カザンにかけられた呪いのためにラ・セレニッシマからクリティ島、イリュリアと移動を余儀なくされてしまう。




面白かったー!!!

驚愕イベントがジェットコースターのようにつづいていく、波瀾万丈なストーリー。
フェードルが絶体絶命のピンチを何度くぐりぬけたものやら、もうわたしには数えられません。
二巻のラストでぎゃーーーと叫んだ後も、とぎれなく襲いかかる生と死の瀬戸際サスペンス。
それが結末に向かってどんどん起伏が大きく、興奮と緊張が増していくのです。

ひとつひとつのイベントは目新しくなく、王道といってもいいくらい。
でも、その派手さ、破壊度は、それぞれが一作品の一番の山場に匹敵するほど。
それがこんなに立て続けにつぎからつぎへと繰り出されるのに、それぞれが不自然でなくぴったりと物語のなかにおさまって流れの中で役割を果たしている。

話全体の緊密度と厚みが、すべて物語へとつながってる。
すごい、としか言えないです。

須賀しのぶ「流血女神伝」を彷彿とさせますが、こちらのほうが作風的にはフリーダム。

作者さんご自身が享受されてきた物語をおしみなく作品に投影してるなーと感じました。

呪いのために船がなかなか目的地にたどり着けないのって、「オデッセイア」ですよねー。
今回はギリシア神話の断片があちこちにモチーフとなってでてくるので、そのへんを見つけ出すのが結構楽しみになりました。

あと、ラ・セレニッシマの統領と女神の関係って、ヴェネツィア元首の海との結婚だなーとか。

そんな寄り道ができたのは再読をした時なんですけどねw

初読の時はつづきがしりたくてページを繰る手がもどかしいくらいでした。

なによりも、艱難辛苦の果てにたどり着いた再会シーンが!
もう、感極まって涙が出そうだったです。実際はにやついてたんだけどねw

それからの金髪わんこの活躍は、不在を補ってあまりあるものでした。
フェードルがいちいちかれの髪について言及するのが可笑しかったw

このシリーズの恒例として、超絶クライマックスの後に後日端的なクライマックスもあり。
脇役の方々にもそれぞれに見せ場があるのが嬉しかったです。

ときどきあれっと思うような文章があるけど、全然気にならない。それほどに楽しい読書の時間でした。
満足満足。

ひきつづき、第三部を読みたいと思いますv

クシエルの啓示〈1〉流浪の王子 (ハヤカワ文庫FT)
ジャクリーン ケアリー Jacqueline Carey
4150205167

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