『孟嘗君 1』

孟嘗君(1) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
4062638622


[Amazon]

読了。

古代中国の戦国時代。斉の君主の息子として生まれながら親に疎まれて殺されそうになった田文、後の孟嘗君と、かれを素性も知らずに育てることになった男の、波瀾万丈を描く、格調高い歴史小説。

先日『楽毅 1』を読んでこちらを先に読めばよかったと後悔したと書いたのですが、そのことばかりが頭に残っていたらしく、図書館で本を予約する時についうっかりと予約してしまったのが『楽毅』ではなくこの本でした;

予約しなおすこともできたのだけど、まあ、いっかーとそのままにして受けとってきたので読みました。

読み出して、なかなか主人公が活躍しないのでえーと、と思いましたが、そうか、これって全五巻なんですね。

この巻での主人公は、事実上、田文を拾った風洪という若者です。
田文は風洪が生きる目的を得るきっかけになりますが、何分乳飲み子なので台詞すらないというありさまw

太夫の家に生まれながら遊興の果てに財産を食いつぶし、商人の護衛でその日暮らしをしている無頼の若者が、妹やその恋人、さらに妹の友人などに出会い、感化され、次第に世の在り方や自分の生きがいなどを考え始める、というのがあらましです。

一見無頼ながら育ちから身につけた品の良さが垣間見える、懐の大きな男・風洪の人物の面白さと、かれにかかわる人びとの反応の変化が読みどころかな。

戦国時代の中国の状況や、君主たちの人物像も興味深いです。

風洪に想いを寄せる翡媛は、いかにもなたおやかヒロインですが、風洪の妹・風麗の元気さは、いままで読んできた宮城谷作品にはない感じかも。
話が進行するにつれてだんだん大人しくなっていくのが惜しいです。

生真面目で俺様な風麗の恋人・公孫鞅も面白い。

しかし、もうすこし、田文がなにかやってくれないかなーと思うわたしです。タイトルロールなのにこれだけ? って肩透かしでした。

これって先に『楽毅1』を読んでしまったからかもしれないです。
すでに名をなしている孟嘗君を見てしまったので、活躍する姿を早く読みたいんですね。
風洪の話としてだけ読めば十分に面白いんだと思います。とはいえ、読んでいない時点には戻れません;

赤ん坊がせめてつぎには幼児ぐらいにはなってくれることを期待しつつ、つづきを待とうと思います。


孟嘗君(2) (講談社文庫)
宮城谷 昌光
4062638630

Comment

Comment Form

管理者にだけ表示を許可する

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)