『クロノ・セクス・コンプレックス 1』

クロノ×セクス×コンプレックス 1 (電撃文庫 か 10-17)
壁井 ユカコ デンソー
4048681451


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読了。

高校の入学式の日に、とつぜん女の子になって全寮制魔法学校に入学することになってしまった男の子の、不安と驚愕の日々を描く、時間SFファンタジー。シリーズ開幕編。


じじむさいと評判の三村朔太郎は、時計屋の息子。幼なじみの小町梅を傷つけてしまった卒業式から何もできずに迎えた高校入学式当日。客から預かった懐中時計を届けに行く途中、出会い頭にひととぶつかり転倒した朔太郎。それからかれの歩む道は見慣れぬばかりか時間の流れがへんになった。迷子になって泣きそうになった朔太郎が、名を呼ぶ声にすがるようにしてたどり着いた場所は期待していた高校ではなく、時空の中にぽつんと浮かぶクロックバード魔法学校。おまけに朔太郎は朔太郎ではなくミムラ・S・オールドマンという名の女の子になっていた。なぜ、こんなことに? 混乱する朔太郎に待ち受けていたのは禁断の女子寮での魔法学校生活だった。




『キーリ』の作者さんによる時間SF。
魔法学校と男女入れかわりと異世界落っこちと百合的エロスで出来てます。
手のひらメカニズムに対する愛情と、SFへのリスペクトとは、従来からのものですが、今回は傷を負った魂の邂逅のひりひり感がなくて、元気で明るい雰囲気なのが珍しかった。

なによりも、少年が主人公、というのは初めて読んだ気がします。
……といっても、途中で体は少女になっちゃいますがねw

最初はハリポタばりの魔法学校ものかと思いましたが、進むにつれて、どんどん時間SFの要素が濃くなっていくのに、どきどきしました。

作品内にがっちりと組み込まれているのはハインラインの『夏への扉』と筒井康隆の『時をかける少女』ですが、後半の展開は筒井康隆の色のほうが濃いかもしれない。でも「時かけ」ではなくて、ほかのグロでシニカルな作品のほうの雰囲気を感じました。

そういえば、作者さんの作品はいつもさりげなくグロかったような……。

『キーリ』や『鳥籠荘』の繊細で切ないほの暗さが好きなわたしには、すこし期待と違いましたが、うん、これはこれで面白い、と思いました。

時間をあやつる魔法を学ぶクロックバード魔法学校の設定がいちいちツボです。
図書館に、司書、が出てくるだけでも楽しいのに、それが怪しい青年なのも嬉しいです。

てんこ盛りな内容をきっちりとさばいて、一冊にまとめてるところがさすがです。

いろいろと謎だらけなお話なので、次巻以降の展開が楽しみ。

それにしても女子寮生活する精神だけ少年って……哀れだな、朔太郎w


クロノ×セクス×コンプレックス〈2〉 (電撃文庫)
壁井 ユカコ 村上 ゆいち
4048684051

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