『戦う司書と世界の力』

戦う司書と世界の力 BOOK10 (集英社スーパーダッシュ文庫)
山形 石雄 前嶋 重機
4086305275


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読了。

人が死ぬと本になる世界を舞台に、張りめぐらされた計略に欺かれながらも、世界の存続をめぐって戦う武装司書たちの物語。完結編。

オールスターキャストで展開する怒濤のクライマックス!

話のすべてが収斂し、最後の高く大きな壁を打破するために集結する展開に、おおおお、と心の中で歓声をあげました。

これは物語です。人間と世界の物語であり、物語についての物語でもあります。

人が本になる世界で、特殊能力者達が宿命に抗い世界を救うために戦うという設定は奇抜です。

キャラクターはみな人間離れしていて、現実にはありえないシーンの連続です。
ありえないといえば最初からありえない世界なのですから、肝心なのは物語世界の中でどれだけそのことが必然で、必須かということでしょう。

物語の発端を読んで、ああ、と思いました。
この話は、ちゃんと約束があってありえないこともその中に含まれている。

そして、わたしにはこの話が、物語を終わらせようとする力と物語を語り続けようとする力のせめぎ合いの物語のように思えました。

物語は人生と言い換えてもいい。いや、むしろ、そっちのほうがまっとうな読み方かしら;

狂言回しのようでいてじつは……なラスコール=オセロの存在が、じつに興味深かったなと思います。

なんとなく、ニーニアは気むずかしい読み手でルルタはパニック気味な作り手、みたいだなあと思ったり。そこでラスコールの役割はなんだろうかなとかw

キャラクター的にはこれまでに登場したひとびとがそれぞれに特殊能力全開で活躍するのが楽しかったです。

わたしのすきなマットアラストさんとミレポックの掛け合いが最後まで読めたのが嬉しかったv
そしてイレイアさんにはびっくり仰天でしたw

それにしても凄い構成力です。
全十冊、どれもきちんと意味のあるお話で成り立ってて、それが最後にこんなに生きてくるなんて、デビュー作とは思えないわ……

昔のSFのよい意味での荒唐無稽さが感じられる、たいそうおもしろいシリーズでした。


シリーズ開幕編はこちら。
戦う司書と恋する爆弾 BOOK1(集英社スーパーダッシュ文庫)
山形 石雄 前嶋 重機
4086302578

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