『ましろのおと』1~3

ましろのおと(1) (月刊マガジンコミックス)
羅川 真里茂
4063712613


借りて読了。

青春音楽コミック。津軽三味線版。


澤村雪は十六歳。青森で知る人ぞ知る津軽三味線の名手である祖父によって兄と二人育てられ、物心ついた時から三味線を弾いてきた。他人には興味を示さず、祖父の音に近づくことだけが目標だった雪の世界は、しかし祖父の死によって断絶する。死に際の祖父に自分のマネをするならもう弾くなと言われ途方に暮れた雪は、さまよい歩いていた東京でタレントを目指す若い女性・ユナに拾われた。



面白かった! とても面白かった!!

津軽三味線の天賦の才を持った少年が、祖父の死を機に広い社会と出会い、成長し、自分の音楽を作りあげていくさまを、かれの出会う人びととのかかわりともに描く、音楽コミックシリーズです。

音楽といっても津軽三味線をテーマにした物語は西洋音楽とはかけはなれた伝統芸能の世界。
日本の風土に根づいて育まれてきた芸は、西洋音楽にどうしても感じてしまう距離感が無く、これまでになかった骨肉にしみいるような世界を描き出すことが可能なのだなーと、ちょっとした衝撃を感じる作品です。

三味線を弾くシーンの、絵だけとは思えない迫力に酔いました。
三味線をほとんど聴いたことないのに、なんなんでしょうか、この体に響いてくる震動は。

ストーリーの骨格だけを取り出してみればわりと常套な話ですが、津軽三味線というテーマへの真摯な姿勢がつたわってくる、とても熱いお話です。

それと、主人公の雪君がすごく好みだーw
作者さんの作品を読むのは初めてなんですが、男の子を魅力的に描かれる方なんですねえ。
ていねいでありながらシャープな、ちょっと色気のある描線がとても好きです。
ユナさんとかの女性も魅力的です。
女の子はちょっと眼の大きさにひきましたが(汗。

登場人物もそれぞれきちんと造形されていて、雪君のおにいさん・老け顔の十九歳若菜ちゃん(なぜ「ちゃん」づけ;)をはじめとして、それぞれに地に足をつけて立ってるふうなのも素敵です。

他人との競い合いどころか他人の音にも興味のない雪君が、これからどのように目をひらかれていくのか、かれを世に出そうとするひとびととの戦い(?)はどう展開するのか、ゴージャス母ちゃん・梅子さんはいったい何者で雪君の父親は誰なのか。

たぶん読み手に専門知識を解説するために儲けられたんだろうなーと思う、高校の津軽三味線同好会の行方は、そして故郷青森のライバル達(といっても雪君は無関心だけど;)の動向は。

つづきがすごく楽しみです!

ましろのおと(2) (月刊マガジンコミックス)
羅川 真里茂
4063712664


ましろのおと(3) (月刊マガジンコミックス)
羅川 真里茂
4063712818

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