『グッドラック 戦闘妖精・雪風』

グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
神林 長平
4150306834


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借りて読了。

未知の異性体との戦いのなかで、変容していく機械と人間の関係を描く近未来(?)SF。
『戦闘妖精・雪風』の続編。

前巻のネタバレはしてもいいのか、いやダメなのか、判断つかないのでとりあえず。

雪風の機体はシルフィードからメイヴへと移行。
ジャムとの交戦中に雪風から機外へ射出された深井零は意識不明中。
FAFは未だにジャムの正体と目的がつかめないが、コンピュータ群は独自にジャムと交戦中。
地球の人間達は国家紛争に明け暮れてジャムの存在を認識しなくなっている。

あたりは覚えておいたほうがいいのかな。

この巻は、ジャムとは何かという疑問を掘り下げていくうちに、ジャムと戦っているのはだれなのかという問題につきあたり、さらに機械が意識を持ちだしていること、その機械と人間の間に認識の差が生まれていることが発覚。

次第に人間は機械とどのようにつきあうべきか、みたいな話に発展していっている……ような気がします。

物語というより、議論の記録や思考過程みたいな理屈っぽい文章が続くので、視覚的・感覚的に小説を読むくせのあるわたしにはちと辛かったです。

知的な興奮はあります。
が、同じことを繰り返されているように感じる時もあり、登場人物がみなおなじような口調で話すため区別するのも面倒で(スミマセン)、もっとタイトに展開して欲しいとかんじることもしばしば。

雪風に新任フライトオフィサの桂城少尉が配属されたあたりから、ようやくスピード感が出てくる感じです。

桂城少尉の登場で深井零の意識の変化もあらわになるし。マイワールド以外のワールドも認識できるようになって、自分で驚く深井零に苦笑しますw

読み終えて、そっかこの世界では人間は電脳化されてないんだな、と気がつきました。
ここで機械はあくまでも機械であって、ロボットでもないのですね。
つまり、疑似人格も与えられていない機械に意識が芽生えたという、とんでもないお話なわけですよ。

そしてゆえに人間もすべて生身なわけで、その生身で曖昧な部分こそが生きのびるのに必要ということなんだ。

これって生物多様性の話だったのか←たぶん、違います。

ふっと、最近読んだSFのラストが浮かびましたが、ネタバレになるのでここにタイトルが書けません。

さらに、この話のラストは思いっきりつづく、というかこれからが本番だぜ、みたいなところで終わるので、ぎゃーでした。
これはもう、読まなきゃダメじゃないですか、つづき。


アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
神林長平
4150310246


余談。

読みながら、偵察機や惑星につけられた固有名詞で妄想にふけりました。
フェアリイ星は異界で、シルフィードやメイヴは人間に友好的な異形で、ジャムは異界からの脅威。
そして深井零は、セカンドサイトを持った妖精博士の見習いという。
これなら、ジャムが神でもおかしくないと思う(笑。

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