『シュトヘル 4』

シュトヘル 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
伊藤 悠
4091838669


借りて読了。

13世紀モンゴルの侵攻が始まった大陸を舞台に、執拗に西夏文字を排斥するチンギス・ハーンから文字を守ろうとするハーンの息子と、西夏の女兵士シュトヘルの身体にトリップしてきた現代日本少年の逃避行を、殺伐とした戦乱の中に描く歴史スペクタクル。シリーズ第四巻。

あれ、ユルールってハーンの息子だったよね、違ったっけ?(汗
でもツォグのハラバルはユルールの兄ちゃんだった? あれ、あれあれ?(汗

例によって人間関係を忘れかけておりますが、それでもワクワクドキドキで読めました。

あいかわらずのとびぬけた画力とそれが描き出すシビアーで肉体的な痛みを伴う暴力的なシーンに、心の中で悲鳴が止まりません。

こういう、手足や首が飛んだり顔が潰されたり、という残虐なありさまを、よく「人とも思えぬ所業」などと書きますが、ちがうと思います。むしろ人間しかしない行為じゃないかと、読んでいてそう思いました。自分のアイデンティティを守るためとか、自分の快楽のためとか、社会規範を破るためとか、そんなことのために他人を殺せるのは人間だけだと思います。異常な精神状態に陥っての虐殺行為だって人間しかしないんじゃないかと思ったり。

……横道に逸れましたが、とにかく、極限状態におかれた人間たちのなかにぽんと投げ込まれた現代少年の存在の意味は、そのことを際だたせるためなのかなとか思ったり思わなかったりして読みました。

精神的タイムトリップ? という話の大枠の意味はぜんぜんわからないんですが、十三世紀の大陸の荒れ狂う時代の波にとにかく圧倒されます。

殺し殺され、愛し憎んで血を流し、涙をこぼし、絶叫しながら駆けぬけていく登場人物達の姿が熱いです。

この巻でチンギス・ハーンがなぜ西夏文字を滅ぼそうとするのかがわかりました。
なるほどねえ……。

主人公のシュトヘルになっちゃったスドー少年が、鈴木さんだった(?)ユルールくんに感じる性別逆転に微妙さとかを楽しみつつ、つづきをお待ちしています。

巻末のおまけになごみましたw


シリーズ開幕編はこちら。
シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
伊藤 悠
409182529X

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