『夢の上 1 翠輝晶・蒼輝晶』

夢の上〈1〉翠輝晶・蒼輝晶 (C・NOVELSファンタジア)
多崎 礼 天野 英
4125011230


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読了。

夜の王の前で披露される人の夢の物語。異世界ファンタジーシリーズ、開幕編。


暗く謎めいた夜の宮殿。そこに住まう王の前に夢売りの男が現れた。男は懐に忍ばせた『彩輝晶』と呼ばれる宝玉をとりだし、そこには人の夢が秘められているという。その夢をたしなむ夢利きをしないかと誘う夢売りは、代価に『夜明け』を所望する。王は了承し、男は六つの彩輝晶からひとつをとりあげた。若緑色の翠輝晶を。




『煌夜祭』の作者さんの新作。
デビュー作に戻ったように枠物語になっています。

ユニークなのは人の夢の結晶化だという彩輝晶。蓮のつぼみのようなかたちをして、夢利きの手によって花びらが開かれるとひとひとりの人生が目の当たりに再現されるという設定です。

ひとつひとつの彩輝晶に秘められたひとの生涯=時空が、舞台を同じくしたそれぞれの一人称による連作短編としてつづきます。

彩輝晶は、物語の人の人生にも深く関わっているので、枠の話が単なる枠ではないことはすぐに察せられます。

夢のひとつひとつが読み応えのある物語で、それだけでも十分に面白いですが、夢を利いている夜の王が、話のどのあたりにいる存在なのかを推測するのも楽しいです。

最初、本を見たときに「分厚いな」と思いましたが、あっというまに、というのは言い過ぎですが一息に読んでしまいました。

とても面白かったです。

一人称の文章が、物語としてのたたずまいを際立たせているのが好印象。

夢がまた別の夢と少しずつ重なり合って、次第に世界の姿が明らかにされていくのかなあ。とてもわくわくどきどきしています。

キャラクターがわりとラノベしているのにもかかわらずちぐはぐにはならず、むしろ重くなりがちな雰囲気を軽やかにしているよう。

先日読んだ社会派SFの空気がとても淀んでいたのに対し、こちらは風通しの良い、さわやかな雰囲気。
シリアスなんだけれど安心して読んでいられるのは、ファンタジーだからなのかラノベだからなのか、ちょっと考えてしまいました。

さて、感想を書いたので続きを読もうv
つぎはだれが主人公なのかなーvvv

夢の上〈2〉紅輝晶・黄輝晶 (C・NOVELSファンタジア)
多崎 礼 天野 英
4125011389


煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)
多崎 礼 山本 ヤマト
4125009481

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