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『彩雲国物語 紫闇の玉座』上下

彩雲国物語   紫闇の玉座(上)   (角川ビーンズ文庫)
雪乃 紗衣 由羅 カイリ
4044499217


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読了。

女の子が官吏として頑張る中華風異世界宮廷ファンタジー、シリーズ完結編。


彩八仙の建国伝説の残る国、彩雲国。地震に蝗害と大雨と立て続けに襲う天災に苦しむ民を救うため、孤立無援の王のただひとりの信頼される官吏として、謎の縹家を訪問した秀麗。結界をはる神器をつぎつぎに破壊されていまにも命尽きようとしている縹家の当主・瑠花に会い、弱者救済の本分を取り戻させるが、無理を重ねた秀麗の命数も風前の灯となっていた。いっぽう、王都・貴陽の宮廷では、無策無能の王として非難を受ける劉輝の代わりに貴族派の重鎮である旺季が官吏の信頼を集めていた。軍の完全指揮権を劉輝からゆだねられた旺季は、蝗害救援のためとして国軍をみずから率い紅州へと旅立つ。赤い禍つ星の出現に王権交代がささやかれる中、劉輝は宰相の悠舜にとある決意を打ち明ける。




これにて全巻完結と思うと感慨深いです。
シリーズ最初の一冊を呼んだときは乙女ゲーム風の逆ハーレム小説かと思いましたが、いやそれでも十分に面白かったのですが、まさかその話がこれほどまでに広く深く大きなスケールをもつ、志の高いひとびとの相克を描く架空歴史物になろうとは、想像しませんでした。

でも、考えてみればヒロイン秀麗のキャラクターは一貫しています。
彼女は当初から、ひとびとが皆幸せで暮らすための国を願い、それを少しでも自分で実現したいと切望する、真剣な女の子でした。

彼女が求めていたのは同志であって、もたれあい馴れ合うような人間関係ではありませんでした。

そんな彼女に恋をした昏君・劉輝がしだいにめざめ、現実と自分を客観視し、おのれの存在意義となしうることを考えるようになり、ひとりの王として成長していくさまが描かれたのが、この「紫闇の玉座」でした。

シリーズの最後の最後に来てようやくか、と思いましたが、この巻の劉輝の変貌はめざましかった。
よき好敵手……といっていいのかわかりませんが、旺季様の存在がかれをここまでたどりつかせるに大きな役割を果たしていたことはまちがいありません。
これまで語られなかった劉輝と旺季様のかかわりが描かれていくあたり、ああ、そうだったのかと思いましたし、相手が高い理想を掲げる旺季だったからこそ、劉輝の行為の意味もきちんと汲んでもらえたのだと思います。

最後の対決シーン、出来の悪い子供を持った気分だったわたしは、感涙にむせびました←大げさですw

まっすぐに目標に向かってかけてゆく秀麗の姿は、やはりこのシリーズの象徴だったなーと思います。

志を高くもて、そのためにできる努力は怠るな、手を抜いて後悔することだけはせぬように。

彼女の思いはその行動によって彼女に関わったすべての人に伝わったと思います。
そう、キョンシーになったあの人にさえも伝わっていたと思います。

ぎゅうぎゅうに凝縮した物語の最後のクライマックスを、わたしも一気に読みきりました。
これまで登場してきたひとびとほとんどの物語がここにきてすべてからみあい、つながりあい、収束していく緊張感と高揚感にどきどきしながら。すごく疲れましたが、すごく充実した時間でした。

面白かった。そしてすばらしかった。

欲を言えば、あまりにも凝縮されてるのでぎちぎち感が。ほとんど説明っぽい説明文なしで、そのうち描写も最小限になり、物語に空間があまり感じられなかったですね。
でもそれが(わたしが)緊張感をきらずに最後まで突っ走れた要因でもあるような気もするので、仕方ないかもしれない。

あと、登場人物がほんとうに多かった;
全員集合したときはどうなる事かと思いましたが、顔見せ程度で終わったひと多数。それはそれで、もっといろいろ知りたかったなあと欲張りな事を考える要因になりました。名前しか出てこなかった人もいたし。黎深さんとか、黎深さんとか、黎深さんとかですが(苦笑

それと、鄭悠舜という人物。
こんな詐欺師だとは思わなかったわ!w
このひとはこの話のキーパーソンだと思いますが、これほどまでに悪人だったとは。
そりゃ、自分でも悪人だ悪人だとなんども告白してますけど、それをうわまわる悪人度でしたw

というわけで、秀麗と劉輝の物語は終わりましたが、わたしとしては主筋のために切り捨てられたこまかいエピソードがいろいろと知りたいなあと未練が残る最終巻でした。

番外短編集とか、出してくれないでしょうかねえ。


彩雲国物語 紫闇の玉座(下) (角川ビーンズ文庫 46-22)
雪乃 紗衣 由羅 カイリ
4044499225


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シリーズ開幕編はこちら。
彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫)
雪乃 紗衣 由羅 カイリ
4044499012

Comment

手を抜いて後悔することだけはせぬように

中身きちきちでしたね~。
でも最後の出血特別大サービス(古っ)だと思えば、有り難いですよね。
本当にコツコツと、最後まで楽しむ事が出来ました。

有終の美ですから、いろんなサイト取り上げられますよね。
このサイトなんて、かなりの長文記事でした。
http://www.birthday-energy.co.jp/ido_syukusaijitu.htm

雪乃紗衣さんって、ひとつの物事を状況に応じて変化させながら、
頑なに持続させていくそうです。
長編がお得意なんですね。やっぱり大サービスですよ、きっと。

たぬきんさん、初めまして、こんにちは。

> 本当にコツコツと、最後まで楽しむ事が出来ました。

お言葉に深くうなずきました。登場人物と同様に、すべてに気を配ったすばらしい完結編だったと思います。

ご紹介いただいた記事を拝見いたしました。
作者さんを占っておられるのでしょうか。
かなりふつうの感想や書評とは異なりますが興味深かったです。

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