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『女王さまがおまちかね』

女王さまがおまちかね (ノベルズ・エクスプレス)
菅野雪虫 うっけ
4591124673


[Amazon]

読了。

現代日本の小学生たちの冒険を描きつつ、物語を受け取るものと物語を生み出すものの欲望や葛藤をさりげなく描く、日常ファンタジー。


小学校最期の夏休み。苑田ゆいは宿題の読書感想文に頭を悩ませていた。読書は大好きなのに、感想文は苦手なのだ。残り十日ほどになって図書館へ赴いたゆいは、同級生で読書嫌いの荒太とともにため息をついた。クラスでもとびぬけて優秀な少年・現と出会ったかれらは、感想文の書き方を教えてくれるという現の家に行く。現の本棚に大好きな「密林のマヤ」シリーズを見つけたゆいは、シリーズの完結編がなかなか刊行されないのは作者が女王さまとよばれる謎の存在に誘拐されたからだという都市伝説を知らされる。




『天空の巫女ソニン』の作者さんの、現代ファンタジー。というか、メルヘン?

体裁は児童書で、描きかたも児童書。

でも、ディテールはきちんとつくりこまれていて、背景もきっちりとしてます。
現代日本の一地方都市の小学生の日常が、リアルに伝わってくる、でもどろどろではなくさわやかに。

そんなリアリティーの中から、異彩を放つ都市伝説のうわさをつたってぽんとつれていかれる世界は非現実感たっぷり。だけど、心の欲望を忠実に反映する世界のすがたや、出会う人物の過去などはじつにシビア。

読んでいて、これは物語を愛するひとのためのお話だなあと思いました。

ゆいの、自分の物語に時間を忘れて没頭してしまう姿に共感するとともに、スランプに陥った作家のリアルな背景にしみじみと泣けました。こういうところに反応するのはたぶん児童ではなく大人の方だと思います。

全体的には児童むけだなと思わざるを得ませんが、手抜きはいっさいなし。
いろんなところで楽しむことが出来る佳品だと思います。

感想文テンプレートには笑いましたが、じっさいそういうことをして評価を受けてきた人の話を見たことがあるので複雑ですな。

余談。

わたしはレストラン経営のゆいのお父さんのお弁当が、ものすごくおいしそうでうらやましくて仕方なかったです。
そして、女王さまのくれる羽根ペンが猛烈に欲しい!!!


天山の巫女ソニン 1 金の燕
菅野 雪虫
4062134233

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