『図書館危機 図書館戦争シリーズ3』

図書館危機 図書館戦争シリーズ3 (角川文庫)
有川 浩 徒花 スクモ
404389807X


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借りて読了。

検閲がまかり通るようになった近未来。唯一の対抗組織として武装化した図書館で戦闘職種として頑張る女の子の、お仕事と恋のミリタリーアクションラブコメディー。シリーズ第三巻。


メディア良化委員会の横暴から本を守ったあこがれの王子様が堂上教官だった――事実を知って混乱する郁だったが、上官としての堂上をすなおに見てゆこうとようやく決意する。入隊して二年弱、図書隊は昇進試験の季節を迎えた。すべての業務に精通しなければならない特殊部隊は、通常の図書館員とおなじ課題を課せられる。今期のそれは子供への読み聞かせだ。特殊部隊で合格が不安視されていたのはもちろん郁だが、影でひそかに苦悩を味わっていたのがエリートとして名高い手塚だった。子供が苦手な手塚は悩んだ挙げ句に柴崎に相談を持ちかける。




面白かったー!!

郁の恋は仕切り直し。
その後の昇進試験で手塚と柴崎が接近。
検閲を逃れるための自主的な言葉狩りエピソード。
そして郁が故郷で錦を飾る? この巻のクライマックスは茨城県での美術展で勃発するメディア良化隊との激突エピソードです。

話としては言葉狩りの話から美術展への流れが緊張感があってたいへんに惹きつけられます。
武力での対決はいまのところまだ非現実ですが、メディアが自主的に行う言葉狩りはもうすでに現実なのではなかろうか。
“万が一”のときのために不必要に言葉を制限し、自己保身をはかる。
表現の自由を捨てることは、だれかにおもねる事にほかなりません。むろん、差別用語とされる言葉がそう規定された事の経緯や意味は考えなければなりませんが、だれかの意向によってそう規定されたのかも知れないと考える事は、けして無意味ではないと思います。

と、テーマに沿った縦糸もとても面白かったのですが、からんでくる人間関係がどんどん楽しくなっていくのがこの巻です。
玄田隊長と折口さんの長年のつきあいは練れてるなあと感心します。
が、わたしがもっとも楽しんだのは手塚・柴崎コンビ!

クールなエリートと思いきや、じつは生真面目な朴念仁だった手塚君が、口八丁手八丁の柴崎に翻弄されてるようすがもう、かわいくてかわいくてw

柴崎の、

予想外の事態に投げ込まれたときの反応は意外とバカでかわいい



という分析が吹き出すほどに的確で、もうたまりませんw

郁と堂上教官のほうはじれじれを楽しむ展開になってるので、よけいにこの二人が面白いんですよねー。

本筋とあまり関係ないところだからこそ、くわしくつっこまれずにさらりと書かれているあたりも、わたしの好みです。

茨城の図書隊に応援に行く話は、図書隊内部での混乱がメディア良化隊との闘争が困難になりそうな予感をもたらすのと、ミリタリー物の本領発揮なアクションシーンが目白押しな派手なエピソードですが、あいまに郁の肉親関係がからんで情の部分での進展があったりもし、小憎らしいまでに盛り上がってしまいました。

かなり物騒な結末になってますが、ラストへ向かっての緊張と興味をぐぐっとひきよせてます。
これはすぐに続きを読まねば、という気持ちになりました。

同時収録短編は「ドッグ・ラン」です。

最期に一言。
玄田隊長、かっこよすぎ!


図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
有川 浩 徒花 スクモ
4043898088

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