『図書館革命 図書館戦争シリーズ4』

図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
有川 浩 徒花 スクモ
4043898088


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借りて読了。

検閲と称した本狩りが公然と行われるようになった近未来。法的根拠を持って対抗できる唯一の組織図書隊に籍を置き、日々奮闘する新人図書隊員の女の子の、恋と成長を描くアクションラブコメディー。第四巻にしてシリーズ完結編。


組織が次第に変化しつつある図書隊にあって、笠原郁は堂上教官の元、特殊部隊員として日々成長を続け、ぎこちなかった堂上との関係もしだいに落ち着きつつあった。そんなおり、原子力発電所へのテロ事件が発生した。日本中が震撼する中、そのために一時的とはいえ、治安組織に大幅な権限を許す特別措置法が可決され、そのなかにはメディア良化特務機関の名前も含まれていた。テロが著作に酷似しているとしてメディア良化隊は著名な作家・当麻蔵人に標的を定めた。良化委員会の目的は当麻を拘束した上で著作権を剥奪し、言論統制をさらに強力にする事だ。当麻は編集者折口を通じて図書隊に助力を求めてきた。当麻を保護するためには図書隊内の不穏分子の眼もくらまさなければならない。特殊部隊はひそかに極秘の特別任務につくことになる。




うーん、面白かった。
この巻は、骨太のストーリーが一本ずしっと決まっていて良質の冒険アクション物の様相を呈しつつ、しっかりと恋愛要素を絡めて進む、予想外な展開にぐいぐいとひっぱられて読みました。

良化特務機関の暴走にまずぽかーん。
そして、言論の自由の危機にたちあがったメディア関係者の行動にぽかーん。
さらに裁判の結末を受けての特殊部隊の行動目標にぽっかーん。

ええええっ、こんなふうに展開しちゃうの、ありうるのこんなこと! と呆然としながらも作中リアリティーがないとは言えず、折り紙付きのディテールの確かさに支えられて読まされてしまいます。

これまで公然とした敵ではないにしても、図書隊にとってはさんざん煮え湯を飲まされてきた手塚兄の大活躍にも注目です。
クールでやり手そのものの姿を日本中に植え付けながらも、弟への内心や柴崎への微妙な心情が垣間見えるあたりにニヤニヤ。柴崎の評「ブラコン兄弟」に深く深くうなずくわたし。

そして相変わらず手塚は柴崎にいいようにあそばれてますなあw

情報戦を一手に引き受ける柴崎とはべつに、実戦での特殊部隊は八面六臂の活躍です。稲嶺指令いや、稲嶺顧問の薫陶が効いてるんでしょうか。顧問もいい味出してますよね。
これで郁が熱くならないわけがなく、郁の熱気に煽られたか堂上教官まで一緒に突っ走ってくのでもうもうもう……。手塚じゃないけど、どこで止まるんだよ。

でも、どこまでも最良の結果を求めて職務を尽くす姿は、一途でけなげで清々しく、熱い血潮を感じてうおおおお、と内心雄叫びそうになったりして;

本屋のバックヤードでのシーンは、別の意味で悶絶しそうでしたが;
堂上きょうかーん……w

最後はラストめがけて一直線と思いきや、予想外のお遊びがあって笑いました。大阪のおばちゃんたち、ナイスです。

娯楽に徹した作風も健在です。エピローグでは後日譚も堪能できます。
あまりにも親切な書きように、え、ここまで書いちゃうの、と思う事もしばしばあるのですが、そういうところは、この作者さんは本当に読み手を楽しませたいんだなーと感じさせて、嫌いではないです。

ただ、文章が突然短縮されるのには最後まで慣れなかった。話し言葉ではありだけど、書き言葉ではあんまり言葉を省略しないでほしい。文章が理論的に破綻してる時があるので、気になりました。

ともあれ、恋愛がらみの冒険小説として大変に楽しく血湧き肉踊るお話でした。

シリーズはこれで完結ですが、別冊と称して短編集が出ています。
情報によると、1が郁×堂上編で2が手塚×柴崎編なんだとか。
わたしとしては2がものすごく楽しみです。うわー、早く読みたいわーwwww

別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5) (角川文庫 あ)
有川 浩 徒花 スクモ
4043898096

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