『矢上教授の午後』

矢上教授の午後
森谷 明子
4396633211


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読了。

現代学園ミステリ。高齢者大活躍のほのぼの風味。


夏休みのある日。東京は多摩地域にある某大学生物総合学部の老朽化した研究棟では、それぞれの用事に精を出すひとびとが人知れず活動を続けていた。研究棟の名物・矢上教授をはじめ、締め切りに追われる院生たち、かれらのお目付け役の助手。複数の教授とその助手たち、さらに外部からの来訪者三名だ。午後になり、天候が悪化。雷鳴とともに豪雨が降り始めた。棟内を点検してまわっていた助手は、階段の途中で死んでいる男を発見して悲鳴を上げる。ところが停電で固定電話もインターネットも携帯電話もつながらず、もちろんエレベーターも停止。さらに階段の外側でなにかが障害となってドアが開かず、外部との行き来は不可能となっていた。途方くれた関係者たちだが、なぜかはりきる矢上教授の指示のもとに行動を開始した。




都会の郊外で突如出現した嵐の孤島。
謎に挑むのは、理系学部で日本古典文学を教える七十代の名物講師“矢上教授”。

おんぽろ研究棟を走り回る人々。二転三転する状況。こっけいだけど真剣な脱出劇。予想外の闖入者。そこかしこに痕跡を残す動物たち。迷惑方面に個性的な教授たち。もちろん平均年齢高し。

ミステリとしての仕掛けはわたしにはよくわからないけど、面白かったです。
途中あまりにもネタが多くてちょっとダレかけましたが、矢上教授のキャラクターがたいへんに好み。

生物専門学部なのに日本文学を教えてて、講師なのに教授と呼ばれてて、研究棟に一室もってて、そこの蔵書の七割がミステリ。

しかも老教授という言葉がよく似合う容貌のお方だというw

佐々木倫子に漫画化してほしいわー、と思いながら読みました。
『動物のお医者さん』的な雰囲気が漂ってるようなw

作者さんの現代物は初めて読みましたが、そんなに無理な感じもなかったです。
わたしは幻想風味のもののほうが好きですけど、幻想話もわりとミステリぽい仕掛けがあるし、基本的にミステリ好きな方なんだなと思いました。


こちらは紫式部が探偵役のミステリ。
千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)
森谷 明子
4488482015


幻想的な連作短編集。
七姫幻想 (双葉文庫)
森谷 明子
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