『カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~』

カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫)
霜島 ケイ ミギー
4797358947


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読了。

人間の住むこちらと妖怪の住むあちらの境目にある賽河原町で、感情をなくした少年があやかしとの事件に遭遇して次第に心を解きほぐされてゆく、叙情的なほのぼの町内妖怪談シリーズ。完結編。


この世と異界の境目・賽河原町で境界守を務める時国柊二郎の住まう空栗荘。高校生の阿川太一は父親の再婚を機にここに下宿している。あいかわらず他人と付き合うのは苦手だが、なにかと話しかけてくる和泉采奈とはだいぶ普通でいられるようになってきた。二月のある日、太一はクラスメートの高坂に幽霊が見えるのかと話しかけられた。スポーツマンで成績も優秀だという高坂だが、采奈によると一年前に恋人を無くしてから性格が変わったらしい。折しも空栗荘では春の訪れを前に不慮の事態に備えての準備がすすめられているところだった。




「封殺鬼」の作者さんの、日常テイストほのぼのしんみり妖怪話のシリーズです。
日本の四季折々の風景とともに、ていねいにひとの心をすくいあげてゆく、しっとりとした叙情的な描写がとても好きです。

個性的な空栗荘の住人たちは現代テイストで、人情味があるのが妖怪たちだというのもほんわかします。
けど、妖怪は妖怪で人間との一線がしっかりと引かれているのも高感度高し。

せつなかったり、ぬくぬくしたり、しんみりしたり、ほんわかしたり。
そんな心の機微がこまやかに伝わってくるお話たちに、ゆるゆると癒されました。

太一くんの心の変遷もゆっくりと着実に描かれていて、納得のいく終わり方でした。

十遠見氏の焼くジンジャークッキー食べたいとか、お露さんの手料理がいいなあとか、白にゃんこのミーちゃん撫でたいとか、いろいろと欲望を刺激されるお話でもありました。

どれも訳ありなほかの住人たちの話ももっと読みたかったです。
けど、これくらい心残りのあるほうが、シリーズの結末としてはちょうどよいのかもしれませんね。


シリーズ開幕編はこちら。
カラクリ荘の異人たち~もしくは賽河原町奇談~ (GA文庫 し 3-1)
霜島 ケイ ミギー
4797342986

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