『高慢と偏見 上』

高慢と偏見 上 ちくま文庫 お 42-1
ジェイン オースティン Jane Austen
4480038639


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読了。

十八世紀イギリスで書かれたラブコメディー。


上流の下のジェントリー階級であるロングボーン村のベネット家には年ごろの娘が五人。しかし、ロングボーンの家屋敷は男子限定の相続となっているため、父親の財産はなにひとつ娘たちには残されない。母親のベネット夫人はなんとかして娘たちを縁づかせようと懸命だ。そんなある日、近所のネザーフィールド屋敷を人の善い独身青年ビングリー氏が借りたことで、ベネット夫人は舞い上がった。姉妹と友人をつれてやってきたビングリー氏は舞踏会で長女のジェインと恋に落ちる。同じ席で次女のエリザベスはビングリー氏の友人ダーシー氏の高慢な態度に気分を害した。姉の恋の応援をするうちにたびたびダーシー氏とやりあうことになるエリザベス。魅力的な将校ウィッカムにダーシー氏の仕打ちを聞かされた彼女は、すっかりダーシー氏を悪者と決めつけてしまう。



超有名なジェイン・オースティンの古典です。

面白いです!
これ、本当に十八世紀に書かれたものなのですか。
たしかにすこしセリフが冗長ですが、タイトルが硬いですが、時代物ロマンスコメディーとして違和感なく読めました。

皮肉っぽいユーモアの漂う人物描写は後の時代のモンゴメリに通じる物があって、ステレオタイプな割にキャラが立ってます。

どこまでも性善説の長女ジェインと、一歩引いて辛辣にひとを眺めているエリザベス。
自分の思うようにことが運ばないとひとのせいにして大騒ぎするベネット夫人。
皮肉なユーモアで人を煙に巻くベネット氏。

善良で視野の狭いビングリー氏とかれの計算高い姉妹たち。
階級差にしばられた堅苦しい価値観を持ちつつも、じつはそれを不自由に感じている節のあるダーシー氏。

あくまでも現実的に人生設計をするシャーロットと、思い込みの世界を強引に邁進するコリンズ牧師。

それぞれが、それぞれの立場で最大限に個性を花咲かせて大活躍です。

さらに描写がさらりとしてる。
その時代に書かれたから当然のこととして省かれたんだろうなと思うわけですが、おかげで翻訳物特有のまわりくどさがなくて、すいすいと読めます。

読み手にはエリザベスとダーシー氏のロマンスがメインなんだとわかってるのですが、あくまでエリザベス視点で話が進むので、ダーシー氏はなかなかイイ男になりませんw

ぎこちない態度や言葉から、しだいに「あ、このひと、エリザベスが好きなんじゃ」とわかってくるのですが、非常に遠回しで回りくどいのですw

そのあいだにもエリザベスは姉が恋に落ちたり、親友が結婚したり、姉が失恋したり、合間に母親とのいやんなやりとりやら母親のフォローやらで大忙し。

おかげで、ダーシー氏のささやかな努力は消し飛んだり、スルーされたり、誤解されたりと、散々です。

読んでいて、ロマンスものの常套手段がふんだんに、巧妙に、かろやかに駆使されてるなあと思いました。

美貌のライバル出現とか。吹き込まれる悪意ある噂とか。情報隠しとか。

というか、ロマンスコメディーっていつごろからあったものなんでしょう。
もしかしたら、今の分野はジェイン・オースティンを好んだ人たちがつくりあげてきたものなのかもしれないですね。

じつは、この本を読んだのは『高慢と偏見とゾンビ』を読もうと思ったからなのですが、いままで何で読まなかったのわたし、もったいないことしてた! と思いました。

いまははやく下巻が読みたいです。上巻のラストといったら。あれは、エレイン姫遊びをしてたアンがギルバートに助けられたエピソードに匹敵する衝撃でしたw

高慢と偏見 下 ちくま文庫 お 42-2
ジェイン オースティン Jane Austen
4480038647


高慢と偏見とゾンビ(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
ジェイン・オースティン セス・グレアム=スミス 安原 和見
4576100076

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