『恋のドレスと湖の恋人 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと湖の恋人 (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
4086014645


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読了。

ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に、仕立て屋と公爵家の跡取り息子の身分差のある恋を描く、少女向けロマンス時代小説。シリーズ二十一冊目、本編十九冊目。


クリスの母親とその愛人クライン卿以下、闇のドレスの関係者との対決を終え、騒ぎの中からようやく逃れ出たクリスとシャーロックは、スコットランドの宿屋でふたりきりとなる。いっぽう、シャーロックの依頼で闇のドレスを調査していたジャレッドはクライン卿の奥方コルベールとその娘リコを解放することを条件にコルネールの連れ子アイリスの身柄をとどめ、ある部屋に軟禁していた。



再読です。ちょっとシリーズを追うのに疲れて放置してたのですが、ここにきてむくむくと読みたい気分が増してきまして、一気にではないですがつづきを買い集めてしまいました。

それならば新たに買ったところから読めばいいのですが、いかんせん鳥頭は以前の記憶をきれいさっぱりと失っておりまして、でもそんなに遡っていると続きが読めないわ、じゃあ一冊前からにしましょうね、ということでこういうことに。

思い出しました。
シャーロックがひとりでものすごく盛り上がっていたことをw

クリスに振られたり、振られたり、振られたり、パメラを筆頭に女性陣にビシビシお説教されたり、他人の恋愛をみたりといろんなことがあって、世界はほかの人のものでもあることに(遅まきながらも)気がつき、クリスにも自分の届かない彼女だけの世界があるのだということを、なんとか受け止めて、それでもなおかつ、自分はクリスを諦められないのだと思い知って、ついに行動に出て、すっかり開放された気分になって、これだけしたのだからこれでもうクリスは自分のものだ――、

と、思い込んでいるシャーロックの姿が、やっぱり自分勝手だなあと思いつつも、やけにほほ笑ましく感じられる巻でした。

シャーロックはクリスを怯えさせてまた振られないようにと一生懸命に頑張ってるけど、強固な固定観念と経験値の不足と想像力の低レベルさのため、結局的外れなことばかりしてて、クリスは困ってばかりです。
馬鹿だなあw

シャーロックのからまわりを理解できないクリスが、彼の予想外の方向からぐさぐさと突き刺すような言葉を返すのが非常に笑えます。
天然クリス、最強www

これに追い討ちをかけるのが、シャーロックの従僕アントニー君がするクリスへのお願い。
このセリフには吹き出さずにはいられませんwww

クリスは闇のドレス関係でとても疲れていて、しかもシャーロックとふたりきりの状況で、不安と混乱とドキドキでいろいろと普通ではないのに、シャーロックのためにいろいろしてあげたいと心を砕いて、それが彼女の愛情の示し方なのです。

ところが、シャーロックは愛情ゆえにクリスを働かせたくない。働かせないことが愛情だと思ってる。それは上流階級の考え方です。

これが階級の差なんですね。
人を人たらしめている、根本のルールがすでに違うのです。

そのルールを変えたい、溝を埋めたいと今のふたりは思っているけれども、まだお互いにお互いのルールをよくわかっていないあたりが、これから超えていかねばならないハードルなんだなあと思わされました。

というわけで、主役二人のロマンスはいろいろと楽しいです、はい!

いっぽう、ジャレッドと闇のドレス関係ですね。
この巻ではコルベールの娘でメイドとして闇のドレスを貴族に仲介していたアイリスの独白がかなりの部分を占めてますが、うーん、この話、つじつまが合わなくないですか。
貴族の娘としてひきとられたリコがなぜメイドをしてたのかとか、状況が不自然な所が多いし、アイリスのゆがんだ愛情がなにか話をまとめあげるために無理やりつけ足されたもののように感じられて、ちと興ざめでした。

少々わからない所が残っても、ここまで説明っぽいエピソードを入れなくてもよかったんじゃないかとか、思ってしまった。

そうか、それでいったん止めてたんだな。

でも、つづきを読んだ(『陽の当たる階段』を読んでしまいました;)いまでは、不自然なところは伏線だったのかもと思ってます。

説明臭さはいまでも気になりますが、この伏線がこのあとどう生きてくるのかが楽しみです。
あと、パメラちゃんとイアン先生が気になるーw

というわけで、つづきはこちら。

恋のドレスと陽のあたる階段 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)
青木 祐子 あき
4086015153

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