『アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う 英国パラソル奇譚』

アレクシア女史、欧羅巴(ヨーロッパ)で騎士団と遭う (英国パラソル奇譚)
ゲイル・キャリガー sime
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読了。

異形がふつうに暮らしている十九世紀イングランドを中心とした西洋を舞台に、はみだし淑女アレクシアの活躍を描く、スチームパンク・ファンタジー・冒険パラノーマルロマンス。シリーズ三作目。


異界族の力を無効にしてしまう反異界族のアレクシアと、夫である人狼のマコン卿との不貞を理由にした喧嘩別れはゴシップとなってロンドンを席巻した。物見高いひとびとの視線のなか、吸血鬼族が自分の命を狙っていることに気づいたアレクシアは、友人のはぐれ吸血鬼アケルダマ卿の失踪を知り、男装の麗人マダム・ルフォーの手を借りて、ヨーロッパ大陸へ逃避行の旅に出る。行く先にアレクシアに宿った生命の謎をときあかす鍵があることを願いながら。



図書館本を優先していたら感想を書くのを忘れかけてました;

大柄でグラマーで好奇心旺盛な、つまりヴィクトリア朝の淑女らしからぬアレクシアの、開き直った行動がたのしい、スチームパンクパラノーマルファンタジーです。

今回は前回のラストで判明した仰天の事実をめぐって、異界族と人間が大騒ぎする展開。
とくに異界族の中の吸血鬼はアレクシアを亡き者とするために殺到してきます。

たったひとり、真相を知り助力をしてくれるものと期待していたアケルダマ卿が失踪し、アレクシアは世間では帽子屋でじつは科学者のマダム・ルフォーのつてにより、ヨーロッパ大陸へと渡ります。

そこで出会うのがマダム・ルフォーの知り合いのマッドなサイエンティスト、もしくはいかれたエンジニア、さらには狂信的な騎士団の面々。

アレクシアの文字どおりやぶれかぶれの逃走劇は、男装の麗人と忠実な元執事との二人三脚、登場するスチームパンクなカラクリたちに彩られています。

そして次第に明らかになってくる、反異界族の性質がまた面白い。
やはり反異界族だったアレクシアの父親の過去や、反異界族のミイラの真実が判明し、異界族の力を無効にする反異界族の力とはそもそもどういうものなのか、これまでそういうものだとしてしか語られてこなかった真相に迫る推理にへえええと唸りました。

このあたりはただのパラノーマル・ロマンスとは一味違いますね。
というか、もうすでにロマンス物とは言えなくなってる気がしますがwww

アレクシアが去ったあと、自尊心と後悔に責めさいなまれて荒れ狂うマコン卿の姿には大笑いしました。
おかげでウールジー人狼団のベータ、ライオール教授がたいそう気の毒でしたが、ライオール教授の苦労するお姿にわたしはちょっとよろめいてしまいしたww

不穏なロンドンでの、アケルダマ卿の愛するドローン(吸血鬼志願者)のエピソードは涙なしでは読めません。

アレクシアの親友で奇抜な帽子の愛好者アイヴィの意外な素顔に驚いたり。

逃走中にずたぼろに汚れていくアレクシアが、なぜか飛沫ひとつあびず身ぎれいなままでついてくる元執事フルーテに嫉妬するシーンに笑ったりw

ファンタジー的な仕掛けを軸に、ドタバタ冒険活劇的な物語がテンポよく進んでいくのを、とても
楽しく読みました。

さて、異界族と反異界族と人間の関係はいったいどうなるのか。
はたまた、アレクシアの体調に変化はあるのか。

さまざまなその後を期待させたまま、シリーズは四巻へとつづきます。
あとがきに本国アメリカでは昨年七月に出たらしいです。
ああ、はやく読みたいー。
アケルダマ卿とライオール教授の活躍が読みたいーwww

シリーズ開幕編はこちら。
アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)
ゲイル・キャリガー sime
4150205329

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